ドラマ「不毛地帯」の低視聴率から見える、テレビの不毛地帯。

2009.10.24

ライフ・ソーシャル

ドラマ「不毛地帯」の低視聴率から見える、テレビの不毛地帯。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

フジ開局50周年ドラマとして放映されている「不毛地帯」。初回の視聴率は、14.4%。そして今週放映された2回目の放送分は、11.1%。豪華キャストと事前の話題性から考えると・・・予想外の苦戦である。

2回目放送は、今週の木曜日・22日。その時間帯の視聴率は、下記の通りである。
15.4% 21:00-22:48 TBS 秘密の嵐ちゃん!秋の2時間スペシャル
11.5% 21:30-22:24 NTV 秘密のケンミンSHOW
11.5% 22:30-23:24 NTV ダウンタウンDX
11.3% 22:09-23:25 EX__ 報道ステーション
11.1% 22:00-22:54 CX フジ開局50周年記念ドラマ・不毛地帯
8.0% 22:00-22:45 NHK ブラタモリ
4.6% 22:00-22:54 TX__ ルビコンの決断
ジャニーズにも、ケンミンSHOWにも、吉本興業にも、視聴率的には負けている。フジテレビ開局50周年記念の最後を飾る連続ドラマとしては、寂しい結果だと思う。想定していたのは2003~2004年に放映した『白い巨塔』の数字・・・・
第一部→初回22.8%、平均21.1%
第二部→初回25.5%、平均26.2% だったろう。
しかし、“巨塔超え”は、難しそうなスタートだ。

では、ドラマとして不出来なのか?そうではない。むしろ面白い。
主人公である壹岐正を演じるのは、前作の『白い巨塔』と同じ唐沢寿明である。壹岐の妻には、和久井映見。壹岐の同期で親友には、柳葉敏郎。小雪、佐々木蔵之介、天海祐希、竹野内豊と主演経験者級が勢揃い。原田芳雄の大門社長、岸部一徳の里井常務、伊東四朗の久松経企庁長官・・・。脇役に揃えた実力派俳優の演技も見所で、たいへん面白い。その上、エンディングテーマには、トム・ウェイツの曲が使われている。
鼻っから若い女性と子供を眼中に入れていない「非常に重い・・・渋い・・・」の確信的な大人のドラマなのである。だから、当然のように「女性と子供」には、敬遠される。

でも、視聴率低迷の原因は、それだけか?
問題は、ドラマの質そのものよりも、テーマ選びにある気がする。

「白い巨塔」は、病院ものであった。そこには、世の女性達も興味がわく余地がある。しかし、「不毛地帯」には、その余地がない。戦後の総合商社と政界との闇の物語を実生活と結びつけて見ることの出来る人達は、きっと少ない。視聴率が20%を越えるのではないかと考えているテレビ局の時代遅れな期待こそ「不毛」である。
このテーマで、視聴率10%というところに、時代の見識を見いだした方が良い。

山崎豊子の小説「不毛地帯」のモデルになっているのは、伊藤忠の会長にまでのし上がった人物「瀬島龍三」氏である。総合商社が戦後処理の中で、政界に食い込みながら、日本の戦後の賠償・援助を食い物にして大きくなっていた・・・その不毛の荒野を渡り歩いた人物である。男としては、少し憧れを抱く人物である。ドラマ「不毛地帯」では、この主人公を、当然のように持ち上げる。美化する。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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