血税117億円「国営の漫画喫茶」構想に断固反対!

2009.05.02

ライフ・ソーシャル

血税117億円「国営の漫画喫茶」構想に断固反対!

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

先週、麻生内閣の新経済対策の一つとして、アニメやマンガ、ゲームの「殿堂」の創設に文化庁が乗り出したというニュースが流れた。総工費117億円。血税が投入される。 これに、断固反対である。 「政府と漫画」は、そもそも相容れない。

「日本と世界のコンテンツ市場データベース2008」によると、2007年の日本の映像や音楽、ゲームやテキスト情報などのコンテンツ市場は、流通するメディア5分野=パッケージソフト販売6兆3,238億円 (49%)/放送3兆6,920億円(28%)/施設サービス1兆6,196億円(12%)/インターネット9,050億円(7%)/携帯電話4,955 億円(4%)の合計13兆359億円。
その日本のコンテンツ市場の規模は世界第2位。規模は第1位アメリカの1/3、GDP比でも世界2位。国民1人当たりの消費額では英・米・独に次ぎ第4位だ。

この市場の勢いと世界的ポジション。その発信拠点として「国立メディア芸術総合センター=漫画の殿堂」を東京都内に作る。アニメ「つみきのいえ」が米アカデミー賞を受賞したことを弾みに、日本発の新しいアートの旋風を巻き起こす狙いらしい・・・。
さらには、麻生首相が、漫画好きとなれば・・・「漫画の殿堂」構想が起こるのも無理はない。選挙受けもいいだろうっ。きっと。

しかしだ・・・そんなもん、うまいこと行くわけがない。
国がアニメやマンガに特化した施設を作ったところで、無料でマンガを読んだり、ゲームを体験したりできることを望む人達が集まる箱物になるだけで、「旋風を巻き起こす」施設になるとは、到底考えられないっ。国営の「漫画喫茶」を作って何になるという論調も、頷ける。

国や行政と「漫画」というポップカルチャーは、相容れない。
国や行政が「漫画」に擦り寄った時点で、それは、歪んだ関係になる。
それは、何故か・・・?私憤も込めて・・・斬ってみる。

下記は、尾崎豊のBIRTH TOUR Freeze Moon~ラストの語りよりの抜粋である。

いつまでも夢を捨てないで、いつまでも悲しい暮らしに、こうつぶやいていても・・・
いったい何だったんだ。こんな暮らし。こんなリズム。いったい何だったんだ。

きっと、何もかもが違う。何もかもが違う・・・。


夜の街で風が吹くたび、俺たちはたばこをふかすそして最後の1本を吸い終えると、
帰る金にさえ足りなくなっちまう。いったい何ができる。なあ、みんな夢はあるかい?
夢を追い続けていくことができるかい?決して、決して自分に負けたりしないかい?

※尾崎の叫びより

きっと何もかもが違う。何もかもが違う・・・。


きっと、この言葉こそ・・・
漫画を書く人間の、表現の発露であり。
読む人間の、純粋なメンタリティーである。
ポップカルチャーの旋風は、そうした人間の孤独な闘いを基盤として日本に、世界に、拡がっていく。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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