日本の漫画!マンガ!MANGA!の何が凄いのか?

2009.06.17

営業・マーケティング

日本の漫画!マンガ!MANGA!の何が凄いのか?

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

「VOGUE」7月号は、マンガ特集である。その中で、日本で「マンガ」が圧倒的に発展したのは何故か?の答えが、実に、あっさりと披露されていた。

回答者は、世界的な評価を得ているポップアーティスト村上隆さん。答えは、こうだ。

「日本人は、絵がうまいから」

なるほど!

絵がうまいからこそ生まれる大量コンテンツ消費。


日本人は、手先が器用で、概して絵がうまい。絵がうまいから、いろいろなところで見せたくなる。また。それを見る人がたくさんいる。そうやって、また、絵がうまいヒトは、次の作品をつくって見せようとする。そして、また、それを見ようとする人達がどんどんと増殖していく。

そうだ。そうなのだ。
「絵がうまい」特性を起点にしたコンテンツ生産とそれを消費するスピードが半端ないのが日本なのである。「マンガ」という市場において日本市場ほど過酷な競争が繰り広げられる市場はない。そこで生き残った物が世界に通用するコンテンツになるのは当たり前なのだ。フェアで過酷な競争から作られるコンテンツは強力である。

『BRUTUS (ブルータス)』2008年12/15号には、YouTubeの利用者は、日本には、1980万人に居て、月間のページビューは約15億で、月間1人あたりの利用時間は平均1時間14分13秒。アメリカの月間1人あたりの利用時間は平均51分なので、日本は世界一のYouTube大国だと記載されている。この過去から営々と継がれている日本の大量コンテンツ消費環境が日本のサブカルチャーを鍛えて、磨いている。

日本随一のアニメ監督宮崎駿さんもスタジオジブリが出している「熱風」2009年1月号の中で、こんなことを言っている。「自分達のアニメーションが成り立ったのは日本の人口が一億を超えたからなんです。つまり日本の国内でペイラインに達することができる可能性を持つようになったからですから、国際化というのはボーナスみたいなもので・・・」と。ジブリとて、同じ。一億人を越える大量コンテンツ消費環境の勝者であるからこそ、世界標準になったのだ。

浮世×複雑=MANGA。


「日本人は絵がうまい」と「漫画」が合体したのは、江戸時代の「北斎漫画」である。江戸後期の天才絵師で「富嶽三十六景」を始めとするその作品を後世に遺している葛飾北斎。彼のスケッチ画集「北斎漫画」は、今日のマンガのようなものではなく、漫(そぞろ)画。大した理由もなく、自由気ままに描いた絵という意味で北斎自身が名付けたものだそうだ。平成の現在、浮世絵師・葛飾北斎が発した「漫画」は、「マンガ」となって、アジアや世界を席捲している。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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