仮説構築の技術(8)~ 総括まとめ

画像: phon-ta

2009.04.13

仕事術

仮説構築の技術(8)~ 総括まとめ

家弓 正彦
株式会社シナプス 代表取締役

これまで、様々な仮説構築の技術について述べてきました。 簡単に、オーバービューしてみますね。

ここまでが帰納法による仮説構築アプローチですね。

(3)ここで見出された仮説をルール化(汎用化)する
(4)そのルールを、様々な状況に適応し、仮説を構築する

この後半のプロセスは演繹法を用いています。

<事例>

(観察事項1)A社は業績見込みを上方修正して、株価が上昇した
(観察事項2)B社は決算発表で業績が伸び、株価を大きく上げた
(観察事項3)業績がヨコバイのC社には、株価の変動はなかった

 → (仮説)業績が伸びると、株価が上がる (帰納法)

(観察事項4)D社の今期業績は大きく向上する見込みである
  +
(一般ルール)業績が伸びると、株価が上がる (帰納法プロセスの結論より)

 → (仮説)D社の株価は上昇する (演繹法)

 → Action 故に、今のうちにD社の株を買っておこう!

ってな具合、、、

演繹法と帰納法を組み合わせることで、様々な状況で仮説構築が可能となるはずです。

■ 「Quick & Dirty」とは言うけれど、、、

うしてもスピードを求めると、精緻さを犠牲にせざるを得ませんよね。
果たして、正確ではない仮説構築で良いのか?しかし、それで良いんです。
仮説構築は必ずしも「正確さ」を追求しないことがカギだと思っています。

私は、仮説は段階的に磨き上げていくものだと割り切っています。
初期仮説は、本当に「Dirty」に仕上げる。
しかし、それをキチンと検証して、ブラッシュアップを図る、、、
そんな繰り返しで、仮説はどんどん磨かれ、精緻さを増していく。
これが仮説構築のあるべきプロセスだと思うのですね。

また、仮に間違った仮説をもとに意思決定をしてしまったとしても、
しっかり前提となっている仮説を組織で共有していれば、
軌道修正は迅速に行えるはずですね。

誰にもわからないんだから「仮説」を立てても意味がない、、、
それは間違っていると思うのです。

やはり、何と言っても仮説構築には「Quick & Dirty」が必要なんですよね!

■ 仮説構築の組織学習

企業は組織で動いています。
したがって、仮説構築の技術も個人的に磨くだけではなく、
組織スキルとして定着させたいところです。

そのためには、仮説を構築するための仕組みが必要となります。

・初期仮説共有のしくみ
  既存情報を体系的に蓄積するシステム
  それをもとに初期仮説を検討する組織機能

・情報収集のしくみ
  情報収集を企画する組織機能
  情報収集部隊(営業部など)への依頼機能

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家弓 正彦

株式会社シナプス 代表取締役

マーケティング戦略を中心としたコンサルティング、マーケティングに特化した教育プログラムの提供を行っています。

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