態度データの活用

2007.07.13

営業・マーケティング

態度データの活用

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

アウディジャパンでは、 「顧客の生活様式」に関する情報を 現在より詳細に管理できる情報システムを 2008年以降、全国の販売店に導入する予定です。 (日経産業新聞、2007年7月12日)

具体的には、従来顧客データとして管理していた

保有車両

サービス関連情報(オイル交換や車検などのことでしょう)

に加えて、

趣味や習慣、嗜好(しこう)

など、

「日本人顧客の生活様式」

に関する情報を詳細に収集・管理するシステムを
開発済み。

アウディジャパンでは、収集したデータに基づいて
日本市場で販売する車種の選定や広告、
イベント、サービスなどの施策を連動させて
展開することを考えています。

この同社の動きは、従来、主に活用されてきた

「デモグラフィック属性」(性別、年齢など基本属性)

や、

「行動履歴」(商品・サービスの利用履歴)

だけでは、顧客心理や消費行動を理解するには
十分ではないということが(ようやく)わかってきたからだと、
私は見ています。

さて、趣味や習慣、嗜好といった顧客情報は、

「態度データ」

と一般に呼びますが、米国の調査会社、
フォレスター・リサーチは次のようなことを述べています。

----------------------------------------

・態度データを利用したセグメンテーションの利点は、 
 (顧客行動の)予測のための確実なパワーを与える

・一般消費者の場合、特定の行動よりも態度の方が
 変化しずらいので、長期間にわたり予測要素として
 活用できる

・企業が顧客のライフスタイルデータを収集する場合、
 「態度データ」によるセグメンテーションは、
 「属性データ」、「行動データ」によるセグメンテーション
 よりも優れている。

----------------------------------------

態度データの収集は、
属性データや行動データほど容易ではありません。

しかし、「態度」とは、
顧客の行動の背景にある「心理状態」のことです。

基本的に、好き、欲しい、といった気持ち(心理)が
あって、初めて行動に結びつきくわけです。

ですから、今後、顧客の「態度」についての情報を
収集・蓄積・分析・活用することがますます重要に
なっていくと思います。

なお、ご参考までに・・・

顧客を深く理解するために有効なデータは、
大きくは次の4つに分けられます。

・属性データ
・行動データ
・インタラクションデータ
・態度データ

それぞれどんなデータが具体的には該当するのかを
以下に記載しておきます。

----------------------------------------

・属性データ

-性別
-年齢
-職業
-居住地 など

・行動データ

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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