リーダーシップとアドミニストレーション

2008.06.15

組織・人材

リーダーシップとアドミニストレーション

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

最近でもリーダーシップ論は盛んですね。この前、「リーダーと言うのは役割であって、上下関係を前提にした話しではないんだ!」というようなことを言っている方を見かけました。私は「それはアドミニストレーションとどう違うんだろう?」となんとなく思ったので、その違いを考察していこうと思います。

 リーダーシップはどこから生じたとしても、規定されている企業の構造を超えて、ビジネス課題を解決していくことだと思います。

 どんな組織を作っても、パワーのある個人を抑えるのは、なかなか難しいし、リーダーたるべき人は、上司のハンコを勝手に押しているものだと思います・・・。私も勝手に上司のハンコを押していたほうです・・・。

 オーバークオリファイドの問題は、短期的には効率不全をもたらすかもしれませんが、長期的には力あるものが勝つので、そんなに問題でもないと思います・・・。

 ビジネス現場では、人材の最適な評価と配置はなかなか行われないものです。しかし、最適な配置が行われなくても、自浄作用的に、ヒトというのは生き物として力ある人間に従い、協力し、物事を進めていくものです。

 まあ、もともとビジネスシステム、ストラクチャーには欠陥があることを前提とした考え方のようなものだと私は思います。

 ただ、ビジネスシステム、ストラクチャー的な欠陥を棚に上げて、リーダーシップを発揮しろ!と言っているリーダーは罪な存在だと思います。

 ビジネスのハードとソフトは互いに補完しあうものだと思います。いわゆる7S的な話しですね。ストラテジーとストラクチャー、システムは、かっちり固めに行く、スタッフ、スキル、スタイルは柔らかく強いホメオスタシスを保持したものです。

 ハード的に、ヘッドクオーターに近いレイヤから、ビジネス課題の解決を推し進めるのが、アドミニストレーション。

 既存のハードを無視した形で、スタッフ、スキル、スタイルという目に見えにくいものの力を引きずり出しつつビジネス課題の解決を推し進めるのがリーダーシップかな、と思います。
(このあたりの7S的なものの見方はまた別に機会にも詳述しますが、今回は割愛します・・・)

 まあ、それぞれ一理あるんですが、1つの視点で物事を分解することは、論理的に正しくないですから、アドミニストレーションも、リーダーシップも全く別の視点でありながら、共存して課題の解決にあたることが、複雑な組織を動かしていくためには必要ではないかな、と思うのです。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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