適性: 究極の競争力【1】

2008.05.30

ライフ・ソーシャル

適性: 究極の競争力【1】

猪熊 篤史

社会や企業において居場所や役割について考えたい。

景気が良くても上手くいかないビジネスがあるし、逆に、景気が悪くても成長・発展するビジネスがある。そんなビジネスの原泉となる個人、経営者、会社、あるいは組織の『適性』について考えてみたい。

適性とは、自己あるいは自社の中で最も優れている資質や能力であって、他者が最も必要とする(高く評価する)ものである。

例えば、小さい頃から剣玉が好きで、剣玉大会に数多く出場して、剣玉日本一、あるいは世界一と言われるような人がいるとしよう。恐らく、それに近い人は実在すると思うが、例として考えたい。剣玉の日本一、あるいは剣玉世界一でも職業として生活していくのは厳しいのではないかと思う。剣玉をしながら歌って、踊れて、容姿も端麗、あるいは、話が上手いのであれば別だが、剣玉の職人(プロ)として生活していくのは困難であろう。2位、3位などの名人以下ではなおさらだろう。

それは、剣玉の名人以外の他者が、剣玉の名人芸を「求めない」からである。どんなに優れた技、誰にも真似できないテクニックでも、何度か見ればそれ以上見たいと思う人はいないだろう。毎日、毎晩、毎年テレビで放送されている野球やサッカー、あるいは、相撲と「剣玉」は違う。剣玉という個人芸には野球やサッカー、あるいは、相撲のようなドラマを演出する余地が少ない。

例えば、剣玉の名人が自ら多彩な技を編み出し続けて観客を決して飽きさせない、巧みなプロモーションや販売戦略によってお金を払って剣玉のパフォーマンスを見る顧客を獲得し続ける、あるいは、剣玉協会のような組織を通じて剣玉を組織的に普及させるなど、剣玉がビジネスとして成り立つ仕組やシステムを構築するしかないであろう。これらの試みなしに剣玉名人が個人としてスポンサーを募っても上手くいかないだろう。NPO法人などによる比較的小規模な活動は出来ると思うが、ビジネスにはなり難いだろう。一般的に考えると、剣玉がいくら得意でも、趣味の領域を出ず、多くの人々が求めるエンターテイメントにはなり難いからである。

極端な例で考えたが、このような思考はビジネスにも当てはまる。

顧客ニーズに適合する製品・サービスの開発、巧みな広告・販売・流通による新規顧客の獲得やリピートの促進、あるいは、仕組やシステムとしてこれらの活動が持続するような体制を構築することによって企業は安定的に事業を展開することが出来る。製品・サービスの開発段階における原材料の選別、あるいは、生産やサービス提供の方法の改善などによって多用な価値を持つ製品・サービスを生み出すことが出来る。

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