利益: 顧客満足と幸福の尺度

2008.05.31

仕事術

利益: 顧客満足と幸福の尺度

猪熊 篤史

顧客満足や社会における幸福の尺度として「利益」について考えてみたい。

赤字や損失は歓迎されるものではない。新しい事業を始める際や、新製品・新サービスを開発する際には投資が先行する。前払いの契約でもなければ通常、初めは設備投資や人件費の負担、商品や原材料の仕入れなどの費用負担によって現金収支はマイナスになる。だからといって何時までも赤字を出し続けていられるものでもない。いくつかの事業を抱える企業の中には、万年赤字の部門もありえる。各部門を独立採算の企業だと考えれば赤字部門は許されない。

機能(職能)別に組織が分かれている場合、研究開発や事務管理など収益を直接生み出さない部門もある。これらの部門を独立した事業体として考えれば赤字部門となる。しかし、研究開発や事務管理を他の部門の依頼を受けて請け負っていると考えれば、必要な業務に対して擬似的にでも報酬を受けられるはずである。従って直接売上をあげない部門も企業の重荷の赤字部門とはならない。広告塔となって費用ばかりかかる部門もあるだろう。プロ野球球団は、企業グループにおける広告を担うコスト部門だとも考えられる。しかし、広告宣伝の役割を十分に果たしているのであれば、広告収入を受けても良いだろう。入場料やグッズ販売など収入が十分にあれば赤字にはならないはずである。

多少解釈の拡大が必要になるかも知れないが、価値ある部門、必要な部門、付加価値を生み出している部門は基本的に赤字にはならないはずである。

赤字を出している企業は基本的には淘汰される。赤字は非効率、資源の無駄遣い、機会損失を意味する。企業やそこで働く経営者や社員の労力、時間、エネルギーは必要な部門、利益を生む部門、十分な付加価値を生みだす部門に適切に配分されなければならない。利益を生む部門こそが企業の強みであり、顧客が価値を見出すもの、社会が求めるものだと考えられる。

先行投資によって費用が先行するのは仕方ないが、数ヶ月、あるいは、数年など、ある程度の期間内で利益を上げなければビジネス、企業、組織は存続し得ない。

政府や非営利団体など利益を上げることを目的としなり組織もある。そのような組織も利益を上げる活動を支援する、あるいは、利益を上げることを目的としている社会において不可欠な役割を担うのでなければ存在意義はない。効果的・効率的に運営される付加価値を生む組織であれば、利益を目的としなくても、一時的な反動などを除いて、赤字になることはないだろう。現金収支は均衡するはずである。

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