MBA: ビジネスを動かすマネージング・プレーヤーたち

2008.05.12

仕事術

MBA: ビジネスを動かすマネージング・プレーヤーたち

猪熊 篤史

ビジネスの知識や能力を習得するため、あるいは、経営的な力を高ためには、学習と実践のバランスが必要である。また、正しい心と問題意識を持つて学び続けることが大切である。

次にMBAが持つ知識、能力、あるいは、資質に関する重要な要素をあげてみたい。

1。会計、財務、統計、マーケティング、運営管理、経営全般(戦略、人・組織)、経済などについての知識
2.リーダーシップ、チームワーク、プレゼンテーションなど、ビジネス・コミュニケーションの能力や態度
3.国際的な交友関係
4.変化に対する柔軟性や組織変革に対する意識
5.目標達成思考
6.職業倫理や道徳

6は、エンロンやワールドコムなどにおける不正会計事件以降、MBAプログラムの中で改めて見直されているMBAが持つべき資質であり、能力や態度である。3や5に関してはMBAプログラムで身につけなくても日常の仕事を通して身につけることや、高めることは出来るだろう。

MBAプログラムで最も効果的なのは1,2,4であろう。MBAでは、ビジネスの基礎となる知識を体系的に、しかも実例と関連付けて習得出来る。一般には企業に長年勤めて管理者にならなければ経験できない経営的な問題を特定の業界に限らず広く体験的に学ぶことが出来る。また、組織や自己の変革や環境変化に対する意識を身につけることが出来る。リーダーシップやビジネス・コミュニケーションのスキルは適切な環境と意識がなければ習得や開発は困難だろう。

これらの知識や能力をMBAを取得せずに習得する方法は2つあるだろう。1つは、企業に長年勤めて実績を積んで管理者層に昇進して日々の管理者としての仕事を通して学ぶ方法である。もう1つは、自ら起業したり、家業を継ぐことなどして、多少のリスクを覚悟して起業家、あるいは、経営者になる方法である。

企業組織の中でコスト意識や責任感を持って経営を疑似体験することもできるだろう。自分の給料、同僚・先輩・上司などの給料やその他、交通費、電話代、光熱費、オフィスの家賃など費用を把握して、所属する組織がそれに見合うだけの収入を生み出しているのかを意識して仕事に取り組むことで経営を疑似体験することはできる。顧客や取引先の業界や組織にも関心を持ち、顧客や取引先の収益構造、仕事の流れ、人事の体系や力学などを意識して取引することや関係を維持・構築することによって経営的な知識や能力は高まるだろう。このような実践や心がけとあわせて、MBA関連の書籍やEラーニング教材などを使って経営理論を偏りなく体系的に学び、仕事の中で活用することも有効だろう。

ビジネスの知識や能力を習得するため、あるいは、経営的な力を高ためには、学習と実践のバランスが必要である。また、正しい心と問題意識を持って学び続けることが大切である。

【V.スピリット No.11より】

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