コンセプチュアル思考の基本スキルとして磨きたい1番目は「定義化」です。定義とは「●●とは□□である」と簡潔に言葉で表すこと。その作業に実際じっくり取り組んでみると、とてもむずかしいことに気づきます。しかしこの定義という作業に取り組むことにより、物事のおおもとにまなざしを向けることを学び、本質をつかもうとする思考態度が身につきます。

そしてその行動・実践によって気づきが生まれます。気づきは新たな経験として蓄積され、次の新たな抽象化へとつながっていく。
そのように具体次元と抽象次元とを何度もぐるぐると回るほどに「観」が醸成されてきます。このプロセスの回し方の「強い/弱い」「厚い/薄い」「大きい/小さい」「バランスがとれている/偏っている」などによって、醸成される観に個人差(というか個性)が出てきます。

「抽象化→概念化→具体化→気づき→(新たな)抽象化」を強力に回していくことで、堅固な観が醸成されていきます。「ぶれない軸」が立ち上がってくるといってもいいかもしれません。
それはまさに「ジャイロ効果」ともいうべき、回転すればするほど目に見えない自転の軸が立ち上がる現象に似ています。

このように概念的思考の基本はものごとの「定義化」です。定義する力は概念形成・観の醸成に強く関わり、「内なる羅針盤」づくりにつながるものです。
さて、こうしたものごとを定義するワークをAIツールにやらせることはじゅうぶんに可能です。そして実際、AIツールはいろいろな答えを出してくるでしょう。しかし何でもかんでもまずAIツールにきいて、AIツールが出してきた答えを「ほほー、面白いのが出てきた」といってそれを鵜呑みにして、毎度使い続ける人はどうなるか……。おそらく自分の内に羅針盤ができず、働くうえで、そして生きるうえで、基軸を持たずに漂流してしまうリスクを抱えることになるでしょう。
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2009.02.10
2009.10.27
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
キャリア・ポートレート コンサルティング代表。組織・人事コンサルタント、概念工作家、『源流の森ブックス』編集発行人。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。
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