『続・続・最後から二番目の恋』があまりにひどい

2025.06.19

ライフ・ソーシャル

『続・続・最後から二番目の恋』があまりにひどい

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/現実は、ただ漫然と60歳、後進が迫ってきた、なんていう生やさしい状況ではない。年金は当てにならない。公務員は、人員も予算も、削減削減。ライターなんか、有名エッセイストですら喰い詰めていて、ネットで口に糊する状況。腫瘍が消えたって、50も過ぎれば、血圧だの、関節だの、あちこち体にガタが来て、無理がきかなくなる方が当たり前。まして潰れかかったテレビ局の中なんか、個人個人とりひとりが生き残りを賭けて、もうギスギス。テレビが、このいまの現実から目を背けて、ドラマを作る方がどうかしている。/

現実は、ただ漫然と60歳、後進が迫ってきた、なんていう生やさしい状況ではない。年金は当てにならない。公務員は、人員も予算も、削減削減。ライターなんか、有名エッセイストですら喰い詰めていて、ネットで口に糊する状況。腫瘍が消えたって、50も過ぎれば、血圧だの、関節だの、あちこち体にガタが来て、無理がきかなくなる方が当たり前。まして潰れかかったテレビ局の中なんか、個人個人が生き残りを賭けて、もうギスギス。

今回のドラマの中でも、ドラマ企画をみんなで作る、というような劇中劇の筋立てが後半のサブストーリーになっている。実際、昨今は、そんなやりかたなのかもしれない。だが、物語は会議室で作るべきものではない。世間から掻き集めたエピソードを寄せ集め、盛り付けても、肉づけにはならない。すでにキャラクターとして確立されている登場人物たちであれば、ただ彼らをいまの現実に直面させれば、彼ら自身が物語世界の中で語り出し、動き出す。脚本家は、それを追って書き取るだけ。物語世界の中に手を突っ込むのは、スタッフの思い上がり、越権だろう。


純丘曜彰(すみおかてるあき)大阪芸術大学教授(哲学)/美術博士(東京藝術大学)、東京大学卒(インター&文学部哲学科)、元ドイツマインツ大学客員教授(メディア学)、元東海大学総合経営学部准教授、元テレビ朝日報道局ブレーン。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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