/経営者は応接トイレを使っていたりするから、従業員たちがふだん使っているトイレなんか気にしないかもしれない。だが、彼らはかならず毎日、そこへ行く。そして、それが古い、汚い、臭い、となると、そのたびに、自分たちは大切にされていない、と、恨みを募らせる。/
限られたカネを給与としてわずかばかりずつ従業員にばらまくより、従業員用トイレの改善のほうが、経済的にも、心理的にも、効率効果が高いのだ。もちろん、相応に費用はかかるが、従業員のひとりひとりが、毎日、何度も、その福利厚生を実感できる。それでいて、トイレは固定資産の施設だから、使っても減らない。もちろんメンテナンスはフローの費用だが、これも従業員人数の頭割りと利用回数で換算すれば、ほんとうに知れたもの。
要はカネのかけ方だ。同じカネを使っても、従業員全員に恨まれる使い方と、感謝される使い方とがある。なぜ人が逃げるのか、給与を払ってやっている経営者なのに、従業員たちから人望が無いのか。その秘密は、カネの使い方にある。
純丘曜彰(すみおかてるあき)大阪芸術大学教授(哲学)/美術博士(東京藝術大学)、東京大学卒(インター&文学部哲学科)、元ドイツマインツ大学客員教授(メディア学)、元東海大学総合経営学部准教授、元テレビ朝日報道局ブレーン。
経営
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大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。
