60歳からのライフシフトは現実的か

2022.12.06

組織・人材

60歳からのライフシフトは現実的か

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

​2020年3月、改正高年齢者雇用安定法が成立し、多くの企業が定年の年齢を60歳から65歳に引き上げた(ように見える)が、実態としては、前からある定年後の再雇用的な働き方が多いようだ。 半面、「ライフシフト」というワードが話題になり、60歳を過ぎてでも、新しい人生にチャレンジするような生き方を推奨するような意見も多い。 環境的には、年金の支給が65歳となり、リアルな現実として60歳~65歳の間は働いて給与をもらわないことには生活すらままならないようにもなってきた。 60歳を過ぎても着実に稼いで、少なくとも金銭的には問題のない人生を過ごすには、どうすればいいのだろうか。

2020年3月、改正高年齢者雇用安定法が成立し、多くの企業が定年の年齢を60歳から65歳に引き上げた(ように見える)が、実態としては、前からある定年後の再雇用的な働き方が多いようだ。

半面、「ライフシフト」というワードが話題になり、60歳を過ぎてでも、新しい人生にチャレンジするような生き方を推奨するような意見も多い。

環境的には、年金の支給が65歳となり、リアルな現実として60歳~65歳の間は働いて給与をもらわないことには生活すらままならないようにもなってきた。

60歳を過ぎても着実に稼いで、少なくとも金銭的には問題のない人生を過ごすには、どうすればいいのだろうか。

令和4年版高齢社会白書を見ると、65歳以上で「家計上はそれほど心配ない」と答えている人が7割近くおり、巷で言われているほど、生活の苦しさは見えにくい。

■65歳以上の人の経済的な暮らし向き

ただし、「働きたい」と考える人は多く、今収入のある60歳以上の人は、約4割の人が「働けるうちはいつまでも働きたい」と考えており、大半の人が高齢になっても働く意欲を持っている。

企業側でも、さまざまな条件があるとはいえ、多くの企業が65歳以上でも働ける環境を用意しており、こうしたニーズに応えるかたちとなっている。

■あなたは何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいですか

実態を見ても、65歳~74歳の男性の場合、約半数がなんらかの収入のある仕事をしており(70歳以下の場合はもっと多くなるのだろう)、これを見れば、上記の希望通りの結果となっていると言える。

■現在の収入の伴う仕事(年齢・性別)

ただし、実態の働き方を見れば、収入があるといってもパートタイムがもっとも多く、自営や会社経営を除けば、フルタイムの雇用で働いている人は、65~74歳の男性で約12%であり、希望している仕事を得ているとは思いにくい、

40年間の仕事の経験を生かすのか、新たな知識を得るのか?

60歳すぎても一番いいのは同じ企業での、同じ雇用条件での継続的な就業だ。給与もほとんど変わらなければ、慣れている仕事であり、最高の働き方と言える。なかには「経験が誰よりも豊富で知識・スキルも高い。その能力を生かし、若手の育成も含め、さらに大きな仕事に取り組んでほしい」と懇願される人もおり、むしろ、より大きな責任と報酬を得る人もいる。

しかし、多くの人が、「昔の仕事の仕方しか分からず、完全に今の仕事についていけない。自ら提案し、仕事を動かす能力もない。あるいは学ぶ意識もない」的な評価を受けているのではないかと想像する。特にIT・デジタル関係においてついていけないと自覚している人もいるだろう。実際、多くのひとが60歳の時点で次のステップへと進むわけだが、現時点では半数以上が嘱託や契約社員となり、給与は大幅に減る。

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