70歳への雇用延長と、高齢期の幸福の関係。

画像: mrhayata

2021.05.14

組織・人材

70歳への雇用延長と、高齢期の幸福の関係。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長 /一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

欧米では、リタイア後の「高齢男性の居場所問題」は発生しないが・・・。

さまざまな調査研究や事例が指摘するのは、リタイア後の男性が地域で居場所や役割を持てていないという問題です。これは現役時代に家事や育児、地域活動に携わらず、もっぱら、会社での仕事に力を注ぐという日本男性特有のライフスタイルが反映したものだと考えられます。だから、欧米ではリタイア後の高齢男性の居場所問題は発生しないのです。

雇用延長は仕事を加減しながら、徐々に地域での居場所を見つけていく期間になり得るという意味で、この問題の解決策の一つだと思われたものの、先述のデータを見ると全くそうはなっていません。それどころか、問題を深刻にしてしまう可能性すらあります。生活環境の変化に適応する能力は、普通は若いうちほどあるからです。

このままだと、70歳になって、いきなり新しい生活環境に置かれる人が増えます。65歳とはかなり違うでしょうから、地域になじめない男性がこれまで以上に増えるでしょう。意欲も能力もある人が希望する限り働き続けられる仕組みづくりは重要ですが、それがリタイア後の男性の居場所問題を、より深刻にしてしまうような事態は避けなければなりません。

働き続ける本人にとっては単に雇用が延長されたというだけでなく、その後の長い人生に向かって、ソフトランディングができるようにする期間だと考えることが大事になりますし、行政や地域も、仕事を継続している男性が地域に徐々になじめるような仕組みやプログラムを用意しておくことが欠かせないといえるでしょう。


NPO法人「老いの工学研究所」

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川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長 /一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

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