グローバリズムの行く末:社会格差と疫病・犯罪

2019.02.08

ライフ・ソーシャル

グローバリズムの行く末:社会格差と疫病・犯罪

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/ブロック経済は国際戦争を引き起こす、というのが、金満グローバリスト連中の決め言葉。しかし、それは、やつらのウソだ。むしろ、グローバリズムこそが国内破断を引き起こす、と言うべき。でかすぎるプリンは、自重で崩れるのだ。/

というのも、この見せかけの「グローバル化」、国内や社内の下層の切り捨て、国外社外への付け替えは、最下層の生活をさらに一気に低下させ、健康維持水準を割り込ませてしまうからだ。くわえて、ここに外国人流入や国外品輸入が起きると、これまでになかった疫病が社会的に大流行する。いわゆる「死の舞踏」「ディケンズ病」というやつだ。実際、一家内で自立している中層はともかく、下層民による衣食住サービスを取り込んで生活を潤している富裕層ほど、むしろその感染のリスクが高く、階層社会そのものを根本から破壊する。

また、定職も家族も持たない、つまり、失うものの無い最下層は、健康だけでなく、未来も希望もモラルも失う。フォーディズムのように、作った人はいつか自分でも買える、と思えればこそ、みんなまじめにやってきた。しかし、その可能性が断たれれば、やつらは結果に責任を持たない。それどころか、呪詛を掛ける。直接に面と向かって上の階層に当たり散らせなくとも、連中向けの食品調理の場の陰で、ツバを吐き、フケを撒き、ゴミを入れる。設計段階で数値をごまかし、製造現場で部品の手を抜く。その後のことなど、知ったことではない。どのみち、その職場にずっと居続けられるわけでなく、もとより賠償能力などありようもない。いつまで生きられるかもわからないし、いつまでも生きたいとも思わない。自暴自棄になって、どんなつまらないことでも、まさにバカのようにおもしろがって、やらかし騒ぐ。

さらに、モラル無き最下層は、刹那的方法で、とりあえず身近の持てるやつからカネを奪うことを考えるようになる。やたら貯金の多い年寄りは、絶好の標的。頭の悪い若い連中も、ちょろい。データだけのレアアイテム、自称アイドルとやらと写真を撮る権利、自動加入になる各種「無料」お試し。さらには、パパ活だの派遣マッサージだのという隠れ個人売春、その美人局、そして、でたらめな踏み倒し。バカとクズの騙し合い、殺し合い。

そのうち、こういうやつらが群れをなし、富裕層を食い物にしようと、さまざまなワナをしかける。露骨な法律破りのバサラ。誘拐や恐喝、詐欺に麻薬。反社会的、というより、それが彼らの今日を生きるための仕事。いまの日本に無いだけで、世界を見渡せば、生産性の足らない国では、あって当然、日常の光景。同じ国民だから、などという甘えの余地は無い。金持が同じ国にいる、というのは、むしろ目の前の池を泳ぐカモのようなもの。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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