近代の国家と個人の始まり:フマニズムと宗教改革の16世紀

2018.07.24

開発秘話

近代の国家と個人の始まり:フマニズムと宗教改革の16世紀

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/1500年、歴史は大きく動いた。中世のローマ教会とヒエラルキア(神聖管理)、そして、前世紀のルネサンスとバブル国家が一掃され、宗教改革とともに、近代の国家と個人が登場してくる。このことこそ、その後の世界における欧米のヘゲモニー(覇権)の端緒となった。/

とはいえ、これらは、都市貴族と領邦君主の争いであり、都市庶民や地方農民からすれば、どちらが支配者か、というだけの話だった。芸術においては、下級聖職者のジャヌカン(c1480~1558)らがコミカルで下世話な多声曲を作り、アントワープ市のブルーゲル親子(親c1525~69、子64~1636)が風刺寓意画や庶民生活画を描く。また、16世紀後半、宗教戦争のさなか、ボルドーの法官貴族モンテーニュが、新旧両教の君主から侍従として重用され、『エセー』を書いて寛容の精神を双方に勧める。そして、16世紀末には、ロンドン市の劇作家、シェイクスピアが、歴史に題材を採って、人間の欲望と政略、愚行と混乱の悲喜劇を舞台に乗せ、大いに人気を得た。

いずれにせよ、時代はもはや社会集団より個人個別に移っており、教会や都市を単位とする中世的、ルネサンス的な秩序は崩壊。王や公、侯を中心とする領邦単位の絶対君主制に移行する。ここにおいて、生まれ身分にかかわらず、個人の才覚で官僚制や常備軍において立身出世を求める人々が現れ、君主の方もまた、残存する都市貴族を抑え、また、競合する他の君主と戦うために、彼らを必要した。


by Univ.-Prof.Dr. Teruaki Georges Sumioka. 大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。最近の活動に 純丘先生の1分哲学vol.1 などがある。)


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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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