マネジメントこそサービスの本質を学び直したい サービス経営人材育成を加速する|service scientist's journal

画像: John Jones

2018.06.18

経営・マネジメント

マネジメントこそサービスの本質を学び直したい サービス経営人材育成を加速する|service scientist's journal

松井 拓己
松井サービスコンサルティング 代表

「若手向けでしょ?」サービスの人材育成は、“若手向け”というレッテルが貼られています。ベテランやマネジメント層がサービスの本質を理解する機会がないまま、自己流でサービス事業を推進していることが少なくありません。サービス競争が激化する中で、本質を捉えてサービスをマネジメントできるかどうかが、事業の成長を左右します。サービス経営人材の育成を加速するために、ベテランやマネジメントこそ、サービスの本質を学び直し、事業推進力を強化すべきなのです。

失点撲滅型マネジメントからステージアップする時が来た

「うちの社員はサービスマインドやモチベーションが低くて困っています」という相談を受けることがあります。それは“現場”よりも“マネジメント”に問題があることが多いものです。“失点撲滅型マネジメント“で、「いかに失点をなくすか」ばかりに重点が置かれているのです。

失敗事例が組織内に共有され、クレームやミスに徹底的な指導や管理が行われ、失点しない社員が評価されます。失点撲滅型のマネジメントでは、サービスマインドを発揮して顧客からの評価を高める取り組みは”報われない努力“となることが多く、現場はサービスマインドを発揮する気持ちを失っていきます。やがて社員は働きがいを見失って離職していくといった具合に、サービス事業は負のスパイラルに陥る恐れがあります。

“失点撲滅型”から“得点評価型”にステージアップして事業を推進できるサービス経営人材の育成が求められています。


サービス経営人材の育成をパワーアップする

サービス経営人材の育成をパワーアップするには、従来の経営論に加えて、サービス事業を変革する力を高めることが重要です。先の読めない変化が起こるVUCA時代において、サービス事業を前向きに変化させる力は、事業の成長力や競争力そのものになります。サービス事業を変革するには、6つの壁(建前の壁、情熱の壁、顧客不在の壁、闇雲の壁、実行の壁、継続の壁)を乗り越える力が必要です。

まずは、目に見えない“サービス”の本質を理解する必要があります。これまで触れてきたように、サービスは顧客と一緒につくるものであること。打ち手を考える以上に、価値ある事前期待を捉えることが極めて重要であること。リピートや紹介に繋がる満足は大満足のみで、やや満足の97%は離反の可能性が高いこと、など。サービスの考え方を体系的に理解し直すことは、サービス事業の推進に欠かせません。

加えて、ビジョンと危機感と使命感を組織に醸成して変革への原動力を高めること。事業成長のシナリオを描くこと。価値あるサービスをつくりとどけるためのサービスプロセスを組み立てること。価値あるサービスを体現できる人材や組織を育成すること。得点型マネジメントで成果実感を高め、積み上げ型でサービスを磨くこと。これらを通して、サービス事業の構成要素である「顧客」、「従業員」、「事業」のどれも犠牲にしない事業成長を推進することが大切です。

サービス経営人材の育成について、産、学、官の様々な領域で、熱心な取り組みが始まっています。

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松井 拓己

松井サービスコンサルティング 代表

サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業の支援実績を有する。国や自治体、業界団体の支援や外部委員も兼務。サービスに関する講演や研修、記事連載、研究会のコーディネーターも務める。 代表著書:日本の優れたサービス シリーズ 1―選ばれ続ける6つのポイント、2―6つの壁を乗り越える変革力

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