サービスのタイプと差別化のポイント (2) 【連載サービスサイエンス:第28回】

画像: Jef Harris

2017.05.02

経営・マネジメント

サービスのタイプと差別化のポイント (2) 【連載サービスサイエンス:第28回】

松井 拓己
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

サービスをタイプに分類してみると、差別化のポイントや努力の仕方を明確にすることができます。自社のサービスのタイプと、努力ポイントが合致しているか、いまいちど見つめ直してみましょう。

他の産業でも、3つのバランスが大事

今回の例は農業でしたが、他にも3つのサービス要素をバランスよく取り入れている産業(携帯電話・ゲーム機・自動車など)は、どれも元気の良い産業ばかりです。

他にも例えば、小売サービスでは、店舗に製品を並べるだけでなく、製品を実際に使って楽しめるプレイルームやカフェスペースなどを提供することで、購入前に製品の魅力を実感できる工夫をしているケースがあります。これは、「モノ提供サービス」に「快適提供サービス(楽しさ提供)」を加えたサービス強化と見ることができます。

また、製品を販売するのではなくレンタル化する取り組みは、「モノ提供サービス」よりも「快適提供サービス」の方に価値をシフトするサービス強化と捉えることができます。もちろんこのとき、レンタル製品を活用した付加価値情報の発信など「情報提供サービス」が極めて重要になります。

このように、様々な産業において、たった3つの視点でサービスビジネスを見つめ直すだけでも、十分に価値ある気づきが得られます。サービスメニューの3大分類「モノ提供サービス」「情報提供サービス」「快適提供サービス」を自社に照らし合わせてみて、バランスの悪い部分が見つかれば、そこに付加価値向上のチャンスが見つかるのではないでしょうか。

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松井 拓己

松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。           代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新

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