プロジェクトベース経営で事業成長を加速させる (2/2)

画像: Sarah_Ackerman

2017.10.10

経営・マネジメント

プロジェクトベース経営で事業成長を加速させる (2/2)

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

前回は、プロジェクトを経営の中心に据えて事業をドライブすること、プロジェクトを「プラットフォーム」として捉え、そのプラットフォームに社内外の有能な人材を集める力が求められるという話でした。

また、戦略マネジメントで描いた全体像から個々のプロジェクトを眺めて、各プロジェクトの方向性がズレていかないように監視したり、プロジェクト(プログラム)を跨る課題の調整・コンフリクトの解消などに対して積極的な働きかけができるチームでないと意味がありません。そのような全体を押さえた調整役が不在だと、各プロジェクトが、それぞれ単体のプロジェクト事情に囚われて、部分最適なプロジェクトが乱立するだけの状態に陥ってしまいます。そうならないためにも複数のプロジェクトを横断的にみて意思決定を行う方法やガバナンスの仕組みを経営システムとして確立させ、プロジェクトをベースとする経営に関して経営層や事業部門長レベルでの啓発も必要となるでしょう。

このようにマインドそしてマネジメント面の変革によって、企業の垣根を超えたイノベーティブなプロジェクトに対応できる組織に変わる必要があります。さらには、単に新しい製品やサービスを立ち上げるだけに留まらず、その運用も外部のパートナーとのコラボレーション事業としてプロジェクト型で継続されるケースも増えてくるでしょう。そうなるとプロジェクトで生み出す成果に対してはより一層厳しい管理が求められます。
一度始めたからと惰性で続くような緩い管理ではなく、プロジェクトをフェーズごとに実行していき、その都度、市場環境などからプロジェクトスタート時の前提条件をアップデートし、継続して投資する価値があるかの判断を行う。そして継続となれば、その投資に対するリターンを確保するよう長期的・全体的な視点からマネジメントを行います。

そういう意味では、これからは プロジェクトのマネジメント=事業経営そのもの という捉え方をし、プロジェクトは単なる非定常的な活動ではなく、あたかも1つの会社を経営するような感覚に近づいていくのではないでしょうか。そして、そのプロジェクトを"経営"し発展させることが、その企業全体の成長を加速させるのことになるのでしょう。


続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

泉本 行志

株式会社アウトブレイン 代表取締役

フォロー フォローして泉本 行志の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。