ナレッジワーカーのワークプロセスに関する雑考

画像: Robert de Bock

2017.10.21

組織・人材

ナレッジワーカーのワークプロセスに関する雑考

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

ナレッジワーカーが何か知的生産物を完成させるとき、クリエイティビティを発揮してサービスや売上を作り上げるとき、そこにはどのようなプロセスが存在するのだろうか。

・結果を明確にする

ドラッカーの言葉を借りるまでもなく、経営者であろうが雇用されているビジネス・パーソンであろうが、やるべきことはただひとつ「結果を出す」ことだ。

結果を出すとは、営業であればより大きな売上をあげること、企画部門であれば売れる企画を出すこと、管理部門であればこれまでにない効率性をあげることであり、職種によって異なる。

ナレッジによるアウトプットを生み出すためには、「自分が出すべき結果」を明確にすることだ。前述した「口は達者なのに、行動が伴わない人」は、これが圧倒的に欠けている。自分の果たすべき役割が理解できていない。

・ストーリーを描く

次に、アウトプットを出せない人は、出すまでのストーリー(プロセス)を持っていない。「一流コンサルタントの仕事術」的な書籍やノウハウが重宝されるのも、このストーリーやプロセスを自分のビジネスの参考にしたいという思いの現れだろう。

彼らは、クライアントから問題解決を依頼されると、本当の問題を明確にする。そしてその問題を解決するための、組織づくり、業務プロセス、資金の投入を組み立てていく。ポイントは、本当の問題を発見する能力とプロセスなのだが、彼らはこの問題発見の手法を徹底的に鍛えられる。

その手法は非常にハイレベルで高度な知識と分析能力が必要とされるため、我々一般のビジネス・パーソンがすぐに取り入れられるものではないが、「トップコンサルタントならどう考えるだろうか」と常にイメージしておき、問題解決へのストーリーを描くことはとても重要なことだろう。

・制約条件を理解する

正しい制約条件を認識することも大事なことだ。突拍子もないアイデアはまれに大きな成果を生み出すこともあるが、本当にまれである。我々は目指すのは小さな成果だ。これを無視すると、ろくなことにはならない。

納期や予算、関係スタッフ、制約条件の中で、考えなければならない。ということは今までと同じではないかという人もいるかもしれない、その通りなのだが、要するに、認識している制約条件が本当に正しいのかどうかという問題だ。

これまでも「なんだ、そんなことがOKだったのか」と悔しい思いをしたことがある人は多いだろう。私もそういうことの繰り返しだ。

・いち早く「プロトタイプ」をつくる

もちろん、自分なりの情報ソース、あるいは基軸となる分析方法を持っておくことも重要だ。それらを活用し、自分なりの視点を持つことで、素早く仮説を持つことができるからだ。

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猪口 真

株式会社パトス 代表取締役

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