調達購買改革を巡る誤解 まとめ

2016.11.02

経営・マネジメント

調達購買改革を巡る誤解 まとめ

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

前回まで5つのキーワード型調達購買改革の誤解について説明してきましたが、今回はそのまとめになります。

前回までの4回で調達購買改革を巡る誤解について考えてきました。

具体的にはこの5つの誤解です。
1.「集中購買」=「サプライヤ集約」=「コスト削減」の誤解
2.「サプライヤ評価」=「サプライヤマネジメント」の誤解
3.「複数社発注」=「リスクマネジメント」の誤解
4.「部品集約」=「コスト削減」の誤解
5.「競争化」=「コスト削減」の誤解

「集中購買」「サプライヤ集約」「サプライヤ評価」「複数社発注」「競争化」これらの改革のキーワードは多くの企業でスローガン的に取上げられてきました。改革の初期においてはこれはとても重要なことです。何故ならシンプルでわかりやすいキーワードは改革を進めていく上で推進力になったから。
一方で今回の誤解シリーズで述べてきたことは、これらの活動はあくまでも手段だったりツールであり、目的ではないこと、また定義が曖昧で各人の捉え方が全く違ったりすること、それから必ずしも全ての品目で両辺のイコールの公式が直結しないこと、を述べてきました。

今回の誤解シリーズを通じて私が言いたかったことはこのようなキーワード型改革は既に時代遅れであるということなのです。

日本企業の調達購買改革は多くの企業で90年代後半くらいから取組みが始まりました。
ぞれは属人的業務との戦いです。企業全体の調達力を強化するために、プロセスの標準化を行い、人材の育成を行い、インフラの整備を行い、カテゴリー戦略を立て、ユーザーマネジメントを行い、サプライヤマネジメントを行ってサプライヤとの関係性を見直してきました。キーワード型改革は推進力が求められますので、今までの初期的な改革段階においては、このような進め方は効果的であり多くの日本企業がキーワード型改革を推進してきたのです。

例えば「集中購買」ですが、当初は同じものを違うサプライヤから異なる価格で買っている状況でしたから、それを集めて同じサプライヤから買うようにすれば、(そりゃあ)安くなるわけです。でもこういう活動はやればやるほどネタが枯渇してきます。
そうすると集中購買しても「サプライヤの原価低減にもつながらず、それほど大きな効果にもつながらない」状況に陥ります。また品目毎の状況によってもコスト削減効果がでる品目とでない品目があるでしょう。コスト削減効果がでなくなると改革自体の有効性を疑い始めます。結果的に(効果がでないなら)集中購買はしなくてもいいのでは、みたいな話になってくるのです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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