「第1感」・・・考えない力

2008.01.23

ライフ・ソーシャル

「第1感」・・・考えない力

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

最近、「直感」のことばかり取り上げてる私ですが、 畳み掛けるようにこのテーマについて書かれた良書を ご紹介します。

『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』
(マルコムグラッドウェル著、沢田博・阿部尚美訳、光文社)

2006年初版の本書は、
この数年に出たマーケ本の中では、
ベストテンに入るくらいの優れた本だと思っています。

しかし残念ながら、
ベストセラーとまでは行かなかったようです。

ケチをつけるつもりはないのですが、

『第1感』

という邦題が、正直あまりピンとこないんですよね。
直感的には、あまり惹かれないタイトルだと思います。

本書の原題は、

『blink - The Power of Thinking Without Thinking』

です。

実は私は、翻訳本が出る1年ほど前に原書を買っていたのですが、
購買意欲を刺激したのはこの原題のサブタイトル、

「考えないで考える力」
(The Power of Thinking Without Thinking)

という面白い表現でした。

ですから、邦題でも、

『非思考力』

とか

『考えない力』

とでもしたほうがもっとキャッチーだったかなと思います。

まあ、第三者はいくらでももっともらしいことが
言えますので、タイトルの話はこのくらいにしときます。

さてこの本では、
最初のわずか2秒ほどで感じた結論が、
多くの場合に正しい判断であるということを
様々な具体例を交えて解説しています。

本書冒頭には、
次のような話が紹介されています。

紀元前6世紀に作られたというギリシャ彫刻の大理石像、

「クーロス像」

が、ある美術商によって、
カリフォルニア州のゲッティ美術館に持ち込まれました。

ゲッティ美術館では、この像の真偽鑑定のため、
14カ月かけて科学的な分析を含む徹底的な調査を
行いました。

その結果、同像は数百~千年以上前の作品であることが
確認できたため、同美術館はクーロス像の購入しました。

ところが、美術史や彫刻に詳しい専門家たちは、
この像を見た瞬間に、

「どこかおかしい」

とか、

「新しい」(2千年以上も前のものであるはずなのに)

と感じたのだそうです。

ただし、そのように感じた理由を彼らは
言葉ではうまく説明することができませんでした。

まさに、「直感」が働いていたわけです。

そして再調査の結果、
現在ではこの像は近年に作られた

「模造品」

だとみなされているそうです。

本書によれば、
このように一瞬にして真偽を見分けることが
できるような脳の働きは

「適応性無意識」

と呼ばれており、
心理学で最も重要で新しい研究分野のひとつ
なのだそうです。

この「適応性無意識」こそが、
俗に「直感」と言われているものです。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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