これからの時代の大事な人財要件3つ <下>

2008.01.21

組織・人材

これからの時代の大事な人財要件3つ <下>

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

上編に続き、組織は働き手に、よき人財として何を求めるか、そして何を育まなければならないかを考える。今回は、「賢慮・美徳性」、「自律した強い個のマインド」の観点から述べる

【Envisioning Career-scape 第5景 -02】=======

さて前回から、私が思うこれからの時代の大事な人財要件3つを紹介しています。
それら3つとは、
1)「コンセプト創造」性
2)「賢慮・美徳」性
3)「自律した強い個」のマインド   です。

今回は、2番目、3番目について詳しく触れます。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

2●「賢慮・美徳」性

人財要件として、そもそも、賢慮とか美徳性などという言葉を持ち込むことに
何か違和感を持つ人もいるでしょう。

しかし私は、あえていま、1人1人の働き手(一般従業員、管理職層、経営者)に
「賢慮・美徳」性を問いたいと思っています。

なぜならひとつには、それをあえて指摘せねばならないほど、
働く上での倫理・道徳が世の中あげて壊れかけている状況があること。
これはネガティブサイドの観点。

もうひとつには、ポジティブサイドの観点として、
結局、よりよく働く、真に優れた仕事を究めるということは
賢慮・美徳を元とする「道」を志向することにつながってくるからです。

ところで、
“暗黙知”や“形式知”を世に広めた『知識創造企業』、『知識創造の経営』などの著作で知られる
一橋大学の野中郁次郎名誉教授の近著タイトルは、『美徳の経営』です。
教授が経営の核心を“知識”から“美徳”へと踏み込んでいった点は注目に値します。

著書によれば、
・経営はすでに「質の時代」に入っている。「量の時代」のピークは過ぎた。
・グローバルに経営の知のあり様が変化している。
 米国式経営や戦略に限界がみえ、そこにはより深い批判的視点が起きている。
 企業倫理やCSR、さらには、芸術的なリーダーやデザインへの関心などはその表れである。
・新たな時代に求められる経営の資質は「美徳」である。
 美徳とは、「共通善」(common good)を志向する卓越性の追求である。
・この美徳を実践に結びつけるための知が、「賢慮」である。
 賢慮は論理分析的なノウハウではない。
 理想と現実の矛盾を超えて実践するための高質な暗黙知である。

この本は、美徳や賢慮といったものを主に経営者やリーダーに求める角度で書かれているわけですが、
私はすべての働き手に求めていいものであると思います。

なぜなら、働く上での賢慮・美徳性といったものは、いきなり身につくものではなく、
職業人になると同時に(もっといえば、生まれたときから)その涵養が行わなければならないものですし、
また、昨今の企業や官公庁などの不祥事をみても、
それらは一介の社員・職員が倫理観なく起こしたもの、
あるいは、たとえ「悪いとは知りつつ」も、経営者の暴走や組織の慣行を容認して結果的に加担したものが多いからです。

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【5景】これからの時代の人財要件3

村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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