インターンシップと就職の関係を語ろう

2015.11.05

組織・人材

インターンシップと就職の関係を語ろう

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

就活イベントで講演する機会がとみに増え、よく聞かれるのは「インターンシップに行くと就職に有利か?」ということです。しかしさまざまな就活情報サイトや本などで、ここに明言したものは見かけません。なぜでしょう。 「就職活動」は企業側から見れば「採用活動」という、事業の一環だからです。学生の感覚とは異なるビジネスの世界の感覚を理解することで、答に近づけるのです。

しかしここで「インターンシップで良い人は採用します」と宣言してしまうと「採用活動への申合せ違反!」とか「就活早期化をするけしからん企業」というような批判をあびるリスクがあります。コーポレートイメージ的に、コンプライアンスに反するような印象を持たれることを、今の経営環境下ではできません。だから宣言や明確化は普通しないのです。

正確にいえば、就活時期問題は法律でも何でもない、経済団体の申合せにすぎず、破ったところで違法でもコンプライアンス違反でもありません。コーポレートイメージの毀損は「何となく良くないイメージ」を招きかねないのです。


・学生にとってのインターンシップの意味
先日新卒の学生向けに、インターンシップ関連のイベントでお話しする機会がありましたが、その時伝えたことは、自分の売り(理系なら専門・専攻・対象分野)とその企業の事業領域やビジネスモデルが合うのか合わないのか、そんなことを「自分で感じとる場」がインターンシップだということです。

自分の売りとばっちり合致する場合もあれば、実は全然つながらないと思っていたその職務、その製品・サービス、その会社と意外なところで一致点が見つかった。逆にばっちり合うと思っていたら、想像と違うことを求められる職務だったという気付きが得られれば、これまたインターンシップの価値といえます。

企業セミナーや会社説明会、OB訪問ですら、一時的な交流しかできません。しかし実際に職場に入れば、リクルーターではない普通の現場の人と触れることができます。理系の学生が営業の人や、文系学生が人事以外の管理部門の方や、あるいは直接業務と関係ない社内にいる人と直接接することができる貴重な機会なのです。

タテマエで認識していた企業イメージと現実の合致、またはかい離を直接自分で確かめることができるかも知れません。本音とタテマエという、社会の一面を知ることは、確実に就職においても有益なものでしょう。インターンシップと就職の関係も同じこと。企業が欲しい人材だと認識するなら有利であり、逆の評価を受けてしまえば不利になるだけです。


・決まるのはあくまで本選考
採用は当然のことながら、インターンシップだけで決まるものではなく、通常のエントリーから、ES・面接を経て決まっていくものです。インターンシップでの好評価はもちろん選考でも有利になる可能性はありますが、逆に評価を下げればリスクです。採用選考の過程として必須であると明示している企業以外は、当然必須ではありません。何となく第一志望なのに参加しないのは不安と思うのであれば、その不安解消に参加してみる効果はあるかも知れません。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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