ジャンク情報がバカを拗らせる

2015.04.07

ライフ・ソーシャル

ジャンク情報がバカを拗らせる

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/大量のラーメンで「栄養」を摂っているつもりも、そんなの、体に悪いだけ。どうでもいい情報ばかり集めていても、バカは拗れるばかり。知って気づいたことを身につける、自分を変えていく勉強でしか、自分自身の問題は乗り越えられない。/

 ラーメンをすすり、焼き肉にがっつき、ジャンクフードをばりばりやってたら、人は強くなるだろうか。体力をつけるのに、たしかに栄養は必要だが、むだに余分な「栄養」ばかり摂っていても、かえって体に悪いだけ。そんなことは、だれでもわかっている。ところが、勉強となると、大量の情報さえ吸収していればいい、と勘違いしているやつが少なくない。いくら雑学、雑知識が溢れていても、バカはやっぱりバカのままだよ。それどころか、よけい拗れて、救えなくなる。

 勉強のキモは、自分自身の心を磨くこと。むしろどうでもいい迷妄を振り捨て、精神を筋肉質にシェイプアップすること。ボディビルと同様のマインドビル。心にしっかりとした背骨があれば、ムダな情報、余計な変化に振り回されて右往左往したりしなくて済むようになる。とにかくただ量的に知識を増やそうとする諸科学に対して、哲学の方が根本だ、とされるのも、こういう理由。

 知識は、自分を作る勉強のための気づきのきっかけにすぎない。知って気づいたことが身にならなければ、学んだことにはならない。修練とか、修業とかいうと、かつての戦争や宗教のせいなのか、昨今の日本では、なにか高圧的、妄信的な印象だが、どんな知も、学んで修めないと、智にはならない。やたらムダに大飯喰いをしただけでは体力にならないのと同じこと。

 とはいえ、現代は、自己肯定感が強い。いや、むしろ逆に、自己肯定感が危機的なのかもしれない。おまえ、そのままじゃダメだよ、なんて、口に出して人に言われてしまうと、激昂して逆切れする。それって、大量のラーメンを食べて、大量の栄養を取っているから大丈夫なんだ、オレはまちがいなく健康だ、と、言い張るようなもの。底辺連中の妙ちくりんなプリクラ写真のように、若いくせに早くも、こんな自分が大好き、とってもかわいい、ずっとこのままでいい、と自分に酔ってしまっているやつには、もう伸びシロが無い。あとは、そうして酔っ払ったまま、気持ちよく、今よりさらに下へ下へ、ただ墜ちていくだけ。

 心の「体型」は、顔に出る。目に出る。健全な心の人は、目が輝いている。顔つきが引き締まり、胸を張り、あごを上げて、しっかりと前を見据えている。一方、心が死んでしまっている人は、死んだ魚の目をしている。猫背で、落ち着きが無く、やたら饒舌なわりに、口角が下がり、不平と不満、ウソと自慢しか出てこない。ほら、君も鏡を見てごらん。いくら髪の毛を染めたって、カラコンを使ったって、目つき、目の動きはごまかしようもない。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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