コア・バリュー経営とブランディング

画像: Jeff Djevdet

カッコいいイメージやキャッチーなスローガンだけでは生活者の心を掴めなくなった時代に、「ブランディング」はどうあるべきか。

企業としては、まず、「己を知る」活動が必要になるというわけです。「何を売るか(WHAT)」ではなく、「なぜ(WHY)会社が存在するのか(=コア・パーパス)」、「どんな価値観を基準にビジネスを営んでいきたいのか(=コア・バリュー)」を、リーダーの人がコミットし、中心となって、働く人を巻き込みつつ真剣に考え、定めていくべきでしょう。

例えばザッポスの場合は、「WOWのサービス」というコア・バリューを基準に、社員の全員が同僚に接し、顧客に接し、取引先に接します。これが社員の日常にあまりにも深く浸透しているため、仮に仕事の一場面でなくても、ザッポスの社員はザッポスのコア・バリューに則った行動をとり、それが生活者の心の中ではザッポスのブランドをますます強固なものとする結果となり、市場の絶大な支持へとつながっているわけです。

先ごろ、キッコーマン・フーズ社が主催した「日米食品流通シンポジウム」というイベントのもようが日経に掲載されていましたが、その中で、「今日、スーパーなどが他店との差別化を強化するためには、全従業員が自分の役割を踏まえて行動できる企業文化が必要不可欠である」ということが述べられていました。これも、「従業員ブランディング」に通じるところがあると思います。

個々の生活者が強大な影響力をもち、従業員と顧客との触れ合いが大きな意味をもつ時代にふさわしいブランディング活動をするためにも、「コア・バリュー」を中心として会社の中のあらゆる仕組みをつくっていく「コア・バリュー経営」が大いに活躍できることをあらためて実感したのでした。

(初回2013年8月22日掲載)

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石塚 しのぶ

ダイナ・サーチ、インク 代表

ダイナ・サーチ、インク代表 https://www.dyna-search.com/jp/ 一般社団法人コア・バリュー経営協会理事 https://www.corevalue.or.jp/ 南カリフォルニア大学オペレーション・リサーチ学科修士課程修了。米国企業で経験を積んだのち、1982年に日米間のビジネス・コンサルティング会社、ダイナ・サーチ(Dyna-Search, Inc.)をカリフォルニア州ロサンゼルスに設立。米優良企業の研究を通し、日本企業の革新を支援してきた。アメリカのネット通販会社ザッポスや、規模ではなく偉大さを追求する中小企業群スモール・ジャイアンツなどの研究を踏まえ、生活者主体の時代に対応する経営革新手法として「コア・バリュー経営」を提唱。2009年以来、社員も顧客もハッピーで、生産性の高い会社を目指す志の高い経営者を対象に、コンサルティング・執筆・講演・リーダーシップ教育活動を精力的に行っている。主な著書に、『コア・バリュー・リーダーシップ』(PHPエディターズ・グループ)、『アメリカで「小さいのに偉大だ!」といわれる企業のシンプルで強い戦略』(PHP研究所)、『ザッポスの奇跡 改訂版 ~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~』(廣済堂出版)、『未来企業は共に夢を見る ―コア・バリュー経営―』(東京図書出版)などがある。

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