ITと医療を結ぶ架け橋に

企業に勤めながら、異業種交流を通じて、または資格取得に励み自己研鑽に努めるサラリーマンは少なくない。仕事で成果を出すことを目標にすることは、やりがいやモチベーションアップにつながるが、スランプ時のためには、心を切り替える意味でも趣味の世界を持つとか、または本業とは少し離れた分野で自分を鍛錬する場を持つことは日々の生活に活気と彩りを添える。

アシストの九州営業所で働く月足(つきあし)は、そのような自己成長の舞台に、本業であるコンピュータソフトウェアの技術とは異なる医療関係を選んだ。

「私自身、おかげさまでこれまでは病院にプライベートでほとんどお世話になることがありませんでした。そしてあまり好きな場所でもありませんでした。また、医療分野でのお仕事上のお付き合いは過去にもほとんどなく、たまたま担当していた後輩社員が退職することになって、それを引き継ぐ、という形で病院とのお付き合いが始まりました」

お付き合い、といってもそれはソフトウェアのユーザーをサポートするという立場であり、相手が病院でも他の業種でもそれはビジネスの域をでないのが普通である。しかし月足はそれ以上の意味で、医療という分野に魅せられていった。

「本当に、たまたま引き継いだお客様の業界でしたが、ここまで長く、深く入り込むことになったのにはいくつか理由があります。一つ目は、福岡大学病院の志村先生を筆頭に、とても魅力的な人たちと出会えたことです。先生が学会で発表するために、アシストが提供するQlikViewを使用されるということで、お手伝いをさせていただくことになりました。その時は今までに経験したことのないサポートでしたので物珍しさや戸惑いを感じていました。正直、最初は一歩引いて、製品のサポートだけをするだけというスタンスで訪問していました」

毎週木曜日の夕方に、志村先生が主催する『勉強会』が開かれる。この会の参加者は福岡大学病院の医療情報部員のドクター数名、開業医の先生、医療機器ディーラー社員、電子カルテメーカーの営業、ネットワーク機器会社社員、研修医の学生などで、テーマを決めずにIT関係の話題で集まるという。

「ここ数年はQlikViewの話題がとても多かったので、この集まりに私も最初はサポートがあるときだけ、お付き合いで、という形で参加していました。それが、いつしか1メンバーとなり、率先して参加させていただくようになったのです。我々は企業で働いていますので、利潤を得る活動をしないといけませんが、病院で働いている人達はそうではありません。“医療に貢献する”というその感覚が私にはとても新鮮でした」

月足は病院の先生方が勉強熱心であることにも驚いたという。ITの専門ではないのに、『医療情報技師』といった情報処理の科目を含む資格にも挑戦し、見事に合格されていた。医師免許を取得してもなお、自分が興味のある分野の勉強を続ける姿勢に、頭が下がったという。

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