災害対策とコンプライアンスの関連について

2012.09.17

経営・マネジメント

災害対策とコンプライアンスの関連について

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

災害対策をやる根拠とは何でしょうか? 災害対策を行ないたいけど社内調整ができないと考えている担当者の方や、BCPプログラムの営業をしていてなかなか売れない営業マンにヒントを。

BCP/BCMや、ISO22301などの重要性が雑誌やWEBをにぎわせております。

しかし事業継続計画を作っても、ISOの認証を受けても、実際の社員一人一人が自分自身の行動に落とし込まれていなければ、計画書は社内のキャビネットの中で被災を待つだけになってしまいます。

そこで災害対策を考える上で「なぜ災害対策が必要なのか」を知っておくことから始めてはいかがでしょうか。

特に、会社運営の方針・指針の中に「コンプライアンス経営」といった観点が入っているのであれば、もちろん対応しなければならない要素になってきます。

◆法的要求

ということで、災害対策に関する要求は、下記のものが考えられます。もしかすると、災害対策基本法に基づく法体系の中で、もっと多くあるかもしれません。

1.民法 644条 / 受任者の注意義務

2.最高裁判例 / 安全配慮義務

3.会社法施行規則 100条2項 / 損失の危険の管理に関する規程その他の体制

4.条例 / 東京都帰宅困難者対策条例

◆道義的要求

加えて法律として明文化されていないけれども、会社を運営している以上、まあやっておかなければという道義的な部分はさらに広範囲だと考えてもよいでしょう。

こちらは最悪の想定ではなく、意外と被害が小さかった場合に重要となる考え方です。取引先に迷惑をかけない程度に対策しておくという観点も大切です。

1.災害によるダウンタイムコストの回避

2.事業継続に基づくステークホルダーに対する責任

3.内部統制システムの監査に係る監査の実施基準 / 第9条、第11条 (日本監査役協会)

◆努力義務に対する考え方

法的要求にあります東京都の条例は、文面に「努力義務」であることが明記されております。

努力義務ということは「やらなくても罰せられない」ということですので、簡単に考えれば、会社として責任は問われない可能性が比較的高いということになります。
もちろんその他の法令に照らした損害賠償は別です。

逆から考えると、努力義務だから対応しないという考え方は「コンプライアンス経営」とは真逆の考え方になりますので、今既に標榜している会社の方針に基づいて、対策をどこまで実施するのか判断頂くのがよろしいかと思います。

上場企業が対応すべき努力義務の範囲については、弁護士の方々、経営者の方々、リスクマネジメントを支援する方々によって多少のズレは出てきますので、一度議案に上げて頂くこともよいかもしれません。

重要なことは、何もやってこなかったと指摘されないように、一度は社内で共有しておくべきだと考えます。

実際に、TVでいうような最悪の想定がそのまま起これば、人間のチカラでは何もできません。

しかし、さほど大きな被害にならなかったのに、自社だけが大きなダメージを受けて取引先に迷惑をかけるようなことだけは避けて頂きたいと思うわけです。

災害対策実務ノウハウはこちら

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荒川 大

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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