営業ポートフォリオマネジメントの励行を!

2007.10.24

仕事術

営業ポートフォリオマネジメントの励行を!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

昨日に引き続き、営業シリーズ。 前職では営業部長職に就いていたこともある。 部下に大勢の営業担当がおり、様々なパーソナリティーがある。また、その営業成績も様々だ。 しかし、成績の振るわない担当者には一つの傾向が共通する。「苦手な先に足が向かない」ということだ。

一般に、「新規顧客の獲得は既存顧客の深耕の5倍労力がかかる」といわれている。
いわゆるルートセールス型の営業でなくとも、一度顧客化した先はきちんとフォローし、追加のビジネスを積極的に獲得していくべきなのだ。
その時、考えるべくは、どの程度足げく通えば、どの程度ビジネスになるかという見極めだろう。
昨日の「見込み度判定」は主に新規顧客の獲得時におけるポイントだが、既存顧客対象であれば商談の中からその可能性を見極めることもできるはずだ。

しかし、だ。問題は、その可能性を見極める商談をきちんと行うことが前提であるという点だ。
前述の通り、成績の振るわない営業担当者はなぜか、ビジネスの可能性に係わらず訪問しない先というものを抱え込む。
では、その担当者は全く営業訪問をせずに楽をしているのかというと、そうではない。
ちゃんと活動しているのだ。但し、楽な先に。

楽か、楽でないかは、訪問先企業の担当者の性格や応対にもよるだろうが、概ね、取引が安定化している先なのは間違いないだろう。
安定していて、問題が起きていない。怒られることもない。
継続的な取引が行われているから、無理な売り込みや、気合いを入れた提案などせずともそれなりの数字になる。楽なのだ。

しかし、世は無常である。
安寧とした日々を送っている間にも、得意先の社内事情が変化することもある。ある日、突然ビジネスが消失することもあるのだ。
すると、その担当者は如何に予測不可能であり、不可避なことであったかをアピールしてくる。
一応の、理解は示す。が、すぐに不足状態に陥る数字をどう補填するのかを尋ねると、絶句して立ちつくしてしまうのだ。

そうならないために・・・。
一社専任の営業担当でなければ、複数の取引先を抱えているのが常だろう。
その際、「ポートフォリオ管理」的な感覚を身につけさせておくことが重要だ。
ポートフォリオにも様々なモデルがあるが、ここではボストンコンサルティング・グループの「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」を転用してみよう。
「金のなる木」「花形」「問題児」「負け犬」といったポジションを表わす言葉が有名である。

フレームとしては、横軸に市場占有率、縦軸に市場成長性を取る。
営業先で考えれば、市場占有率は、自社(もしくは自部門や、自分の売上数字)に絞める多さとなるだろう。
市場占有率が高く、成長性が低い「金のなる木」は、安定した取引先となるだろう。
市場占有率が高く、成長性も高い「花形」は、仕込んできたタネがまさに花開いた取引先となるだろう。
市場占有率が低く、成長性が高い「問題児」はまさに今、仕込み中。努力次第で花形になるかどうかというところだろう。
市場占有率も成長性も低い「負け犬」は、もはや取引の盛りを過ぎてしまった先か。復活、もしくは延命できるかがキモだが、あまり期待できないかもしれない。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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