先生方が互いに「先生」と呼び合う復興会議に未来はあるのか?

2011.04.18

ライフ・ソーシャル

先生方が互いに「先生」と呼び合う復興会議に未来はあるのか?

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

何人かの政治家という方と直接お話をさせていただいたこともある。大学の教授の方々とも、難しいテーマで議論をさせてもらったこともある。その度に、疑問に思う。みなさん、ひとりひとりは、こんな立派なのに・・・その先生方が集まって始めることは、なぜ、あんなにヘボいのか?

管総理大臣は、東日本大震災復興構想会議をスタートするにあたり「64年の中で最も大きな危機だが、これを乗り越え、創造的復興案をお示し頂きたい」と期待を述べた。単なる復旧案ではなく、「創造的復興案」の策定をするらしい・・・。

では、

その創造性とは、どこから来るのか?
その創造性は、あらゆる分野の先生方を集めたら生まれてくるのか?


仮に生まれてきた「創造的復興案」を推進する創造性は、本当にあるのか?

専門の先生方が集まってできる「創造的復興案」は、復興の考え方と順序が指し示された「美文」であろうことは、間違いない。

しかし、そのプランを推進し実行するのは、この国の政府と国民である。政府の長である首相が「創造性」の全権を、先生方に委ねた時点で、そんなものに真の創造力が宿らないことを理解されていない気がする。「創造性」とは、「会議の時間」と「先生方」があればできるものではない。

R・フロリダの『クリエイティブ都市論』には、「創造性は居心地のよい場所を求める」という副題が付いている。居心地の悪い首相が集めた復興構想会議に、創造性なんか期待できるわけがない。

きっと・・・この「創造的復興案」は、美文のままで終わる。どうせ、復興案は各省の官僚の権限争い場になる。最初から政府に「創造性」がないのだから・・・結果は、目に見えている。

私には、正直、良くわからない。このような東日本大震災復興構想会議に名前を連ねる先生方の真意が・・・。「創造性」を求められて、管総理大臣に苦言も呈さずに、自分に日本を再建する「創造性」があるという顔をされている皆さんの気持ちが・・・。いつまで、同じコトを繰り返されるのか?う・・・ん、わからないっ。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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