被災地支援で大切な姿勢~かつてのボランティア経験より~

2011.03.17

ライフ・ソーシャル

被災地支援で大切な姿勢~かつてのボランティア経験より~

寺西 隆行
(株)Z会

阪神・淡路大震災のとき、全くの素人で、ボランティアに伺ったときの経験談が、これから「人の役に立ちたい」と考える方のご参考になれば。 かつて被災者の立場だった西宮市議会議員今村岳司氏のブログも紹介します。

被災地の悲惨な状況を届けるのも、マスメディアの1つの役割かと思います。
しかし、「それだけ届ける」のが使命ではありません。
とくに、残念ながら常日頃「視聴率競争」に晒されているTV業界の人たちは、どうしても他人の絶望を無意識的にエンタメとして扱いがちです。(本人たちは良かれと思ってやっている場合もあります。だから「無意識」なんです)

被災地の皆さんの状況を、多くの人々の意識の中に組み込み、ずっと継続させておく…いわゆる「風化させない」努力は、マスメディアには是非お願いしたいと思います。
そしてその一方で、記事を扱っていることが、自らのエンタメ意識からきていないかどうか、常に自分自身に問いながら、記事化してほしいのです。


被災していない人間に被災者の気持ちが分かるわけがないのです。
分かるわけがない相手に分かったようなことを言われたりされたりすることこそが、
相手に「被災者の気持ちなんて結局誰もわからない」を痛感させます。
とにかく、自分にできることなど何もないことを受け容れることが必要です。
「何かしよう」という気持ちが、本当に自己満足ではないのか、よくよく考えるべきです。

1ヶ月近くがたとうとしていました。
震災直後から感じていた「にわかボランティアブーム」が収束していることを肌で感じました。
そしてメディアにて、ボランティアという名の迷惑な人たちが少しずつ報道されるようになってきました。


ひとつは、観光気分で来た自分探しボランティアの連中のこと。
彼らは、人から感謝されることを楽しみにやってきただけでした。
だから、汚れ仕事やしんどい仕事は何かと言い訳しながらやりませんでした。
彼らで集まって楽しそうに親睦を深め合っていました。

人から感謝されることを楽しみに行いを為しても構わないと思うんです。
ただ、この気持ち「だけ」での行動は、絶対に、絶対に、止めなければいけません。

もちろん、この気持ち「だけ」での行動の結果「感謝される成果」を世の中に生み出す場合もありますが、経験的に、その可能性は低いと感じます。

「相手に何ができるか」「それは自分にできるか」「そのことで逆に迷惑をかけることはないか」
真剣に考えてボランティアに出かけてほしいと思うんです。
逆に、これを考えられない行動は、真の意味で「良心」に基づいた行動とはいえません。

しっかり考えられていれば(そんなに深い思考が必要とは思いません)、少なくとも
・自分一人でも寝れる用意をしておく
・自分が数日~1週間、「向こうで食事がなければこれを食べて過そう」と思える食事を持参する
(1回あたり、普段の食事の量の2、3割程度が目安でしょうか)
・食事やトイレなどで「ご厄介」になりつつも、ほとんど自分でできていることがないと思えばすぐに帰ろう、という覚悟を持ち合わせておく

などは、ボランティアに出かける前に準備できることです。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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