■マーケッターが震災対応としてやるべきたった1つのこと

2011.03.18

営業・マーケティング

■マーケッターが震災対応としてやるべきたった1つのこと

小野寺 洋
株式会社JIMOS 通販広告研究所 所長/ビジネスディレクター

自然の脅威を目の当たりにし、ただ立ちつくす被災者。東京では、毎日が大規模停電の危機。こんな状態の中、マーケッターにできることは何かを本気で考えてみる――。

■大地震発生


 報道される現地の様子を見ると、自然の脅威にただただ、人間の無力さを思い知らされる。
 私のルーツは、東北・岩手である。事実、「小野寺(おのでら)」の姓は宮城や岩手に多い。私の先祖とつながりのある方も、きっと数多く被害にあわれているのだと思うと、何ともやるせない気持ちになる。

■「自粛」という名のもとに・・・


 今週から、企業の広告・販促活動は「自粛」という名のもとに停滞。「こんな時に広告をしても、効果がないだろう」というのは正論だ。特に現在、東京の品不足・買い占めによる混乱は、尋常ではない。通常期の購買行動とは明らかに違うわけで、生活必需品の優先度が圧倒的に増し、嗜好品の優先度が下がるという状態を引き起こしている。
 しかしながら、自粛はいつかはやめなければならない。そのタイミングがいつなのか、各企業が一線横並びに他社の動向をうかがっているのもまた事実である。

■マーケッターが震災対応としてやるべきたった1つのこととは何か?


 そもそも、長引く「自粛ムード」は、経済の停滞につながる。ただでさえ、社会全体が停滞ムードから脱却できていない日本である。経済の停滞は、日本全体の体力を根こそぎ奪うことにもなりかねない。
このような事態の時に、世の中でマーケティングに関わる人間がやるべきことは、実は、供給量に限界のある電力以外の「自粛」をやめさせること、つまり、消費を促すことに他ならない。経済に潤滑油を与えることこそがマーケッターの仕事なのだ。
 私が日々、研究を重ねているマーケティングは、確かに地震の前では「無力」かもしれない。しかし、地震の被害から脱却するためには、マーケティングの力が不可欠である。
 特に、私が切に願うのは、今回の地震であまり被害を受けることのなかった地域の企業様が積極的に広告投資し、日本経済を牽引する役目を担っていただきたいということだ。

■「他人のせいにしない」仕事を!


 ものが売れないことを、「自粛」のせいにして逃げない。「不況」のせいにして逃げない。
 売れない時こそ、多くのアイディアを出すチャンス、試すチャンスととらえ、いろいろなチャレンジを行おう。こんな時こそ、精神的なエネルギーレベルを下げてはいけないのだと思う。
 事実、ある企業では、この震災のさなか、DMを送付(実際には送付手配後だったため、止められなかったようだ)。被災地以外のお客様から「こんな時期に不謹慎だ」というお叱りの声をいただくことも覚悟していた。しかし、いざフタを開けてみると、クレームは全くなく、逆に励ましのお声をいただくこともあったという。
 必要な人に必要な情報を渡す。疑心暗鬼になるより、「まず実際にやってみる」という行動が、次の扉を開くことを、私は身をもって経験している。

■マーケッターとしての人生をどう過ごすか


 世の中には2つのタイプの人間しかいない。できる方法を探す人間と、できない言い訳を考える人間。たった一度の人生を、できないことの言い訳に費やすなんてもったいない!私は、こういう状況下でも、何ができるかを探す人間でありたいと思う。

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小野寺 洋

小野寺 洋

株式会社JIMOS 通販広告研究所 所長/ビジネスディレクター

「効く広告」の研究とプロデュース、講演活動等を生業としています。 【略歴】 大学卒業後、出版社に入社。お客様と商品の“接点”開発に目覚める。 2005年より、株式会社JIMOSにて自社通販ノウハウを元にしたダイレクトマーケティング支援事業を行う。大手代理店にはない独自のアイディアや成功法則を武器に、広告をプロデュース。教育、食品、美容など、数多くの分野で成功を収める。 1973年佐賀県生まれ。佐賀大学理工学部卒。

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