苦手な部下との面談を乗り切るメンタルモデル

2011.02.04

組織・人材

苦手な部下との面談を乗り切るメンタルモデル

木田 知廣
シンメトリー・ジャパン株式会社 代表

部下を持つと、嬉しい反面色々苦労も絶えないものです。とくにパフォーマンスや意欲に問題がある人との面談は気が重いもの。そんな時に使えるのが「フィードバックのコンセントリック(同心円)モデル」です。

柴田課長 「木下君、こないだのプレゼンは、妙に弱気だったじゃないか。
      あれじゃダメだよ。最初に、『当社としてもこれまで取り組んだ
      コトがない分野ですが…』、なんていわずに、ズバリと『これは
      売れます!』ぐらいのことを言った方が良いんだって」

木下君  「はぁ…(この人は分かってくれないよなー)

というのは、「フィードバックのコンセントリック(同心円)・モデル」を理解してないので×(ペケ)。

むしろ、

柴田課長 「木下君、こないだのプレゼンでは、最初に、『当社としても
      これまで取り組んだコトがない分野ですが…』、なんて
      弱気だったじゃないか。あれは、何を意図してたんだ?」

と、意図を訊くところから始めましょう。これならば、

木下君  「はい、あれは、突飛な新商品を出す前に、まずは経営陣の
      共感を得たいと思って、彼らが心の中で思っていることを
      代弁したつもりだったんですが…」

なんて反応が引き出せそう。

さあ、では、木下君の反応に対して、どうフィードバックを返します?パターンはいくつかに別れますよね。

まず、「意図」は正しくても「発言・行動」が間違っている場合。

柴田課長 「そうか…。でも、経営陣の共感を得たいんなら、彼らが
      普段から一番期にしていることを題材にした方がいいぞ。
      たとえば、『業績アップに何らかの手を打たなければ
      ならない』とか」

木下君  「あっ、そう言えば、そうですね」

と、行動の修正を促すことができそうです

さあ、では、もう一つのフィードバックのパターンは?

そう、「経営陣の共感を得る」という意図自体が間違っている場合です。

柴田課長 「いや、今回の商品は、経営陣と妥協したらぜったいゴー
      サインはでないって。むしろ、最初からケンカするつもり
      で行った方がうまくいくんじゃないか?」

木下君  「ははぁ、そんなもんですかねぇ。じゃあ、今度は…」

と、これまた建設的な議論になりそうですよね。

よしんば木下君が「経営陣の共感を得ることが大事だ」というポイントにこだわったとしても、「なぜそう思うのか?」、「その根拠は?」と続けていけば、最終的には合意にたどり着けそう。

「フィードバックのコンセントリック(同心円)モデル」は、他にも応用範囲が広いものですが、まずはこんなところから使い始めてみてはいかがでしょうか?

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木田 知廣

木田 知廣

シンメトリー・ジャパン株式会社 代表

経営大学院立ち上げという類まれなる経験をした「人材育成のプロ」

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