苦手な部下との面談を乗り切るメンタルモデル

2011.02.04

組織・人材

苦手な部下との面談を乗り切るメンタルモデル

木田 知廣
シンメトリー・ジャパン株式会社 代表

部下を持つと、嬉しい反面色々苦労も絶えないものです。とくにパフォーマンスや意欲に問題がある人との面談は気が重いもの。そんな時に使えるのが「フィードバックのコンセントリック(同心円)モデル」です。

最近は人事考課にMBO (目標管理制度)が導入されている企業も多くって、「パフォーマンス・レビュー」がますます大事になっています。すなわち、上司と部下が1対1で面談を行い、それまでのパフォーマンスのレビュー(振り返りと評価)を行い、次への目標設定をする場です。

レビューされる部下にとっては緊張の瞬間かもしれませんが、上司にとってもなかなか気が重いものです。とくに、

 ・成果(パフォーマンス)が上がらない
 ・行動に問題がある
 ・意欲が明らかに減退している

なんて人との面談は、気を使うもの。

意欲や行動の改善を伝えるわけですが、ダイレクトに言ったら、相手はカチンと来て余計へそを曲げるんじゃないかとヒヤヒヤする時ってありますからね。

部下の方も、心当たりがあればあるほど、「いや、そんなことはないですって」と防衛反応を引き起こしそう。

そんなとき、まず知っておくべきは「フィードバックのコンセントリック・モデル」です。

「コンセントリック (concentric)」というのは、英語で「同心円」を指すので、その名の通り4層の同心円からなり、中心から、

 ・パーソナリティ
 ・意図
 ・発言・行動
 ・聞き手の反応

となります。

大事なのは、外側三層のマッチング、つまり、筋が通っているかどうか、です。

もうちょっと具体的に言うと、フィードバックは質問から始めましょう、ということ。

何を?

「意図」です。

つまり、

 ・「あのとき○○という行動をしたけど、あれは何を狙ってたの?」
 ・「プレゼンの最初に○○と言ってましたが、あれは何を意図したんですか?」

など、発言や行動の背後にある意図を訊いてあげるのです…

と言われて気づくと思いますが、フィードバックはたいていの場合、

 ・私はこう感じた
 ・だから、あの行動は改善してもらおう

という構造になりがちで、相手の「意図」を聞くことってないんです

「フィードバックではまず相手の意図を訊く」

が、「コンセントリック(同心円)モデル」を実行に移す、極めて分かりやすい第一歩です。

実例で話した方が分かりやすいので、こんな場面を想定してみました。舞台は、ある食品メーカー、「株式会社スロービズ」です。

同社は健康食品の大手メーカーですが、会社を支えるもう一つの柱とも言うべきソフトドリンク事業は泣かず飛ばず。

問題意識を持つ社員は、「クリーム・ウーロンソーダ」という革新的(?)な製品を企画しています。その企画に携わった木下君が、上司の柴田課長から厳しいフィードバックを受けているようですが…

次のページはぁ…(この人は分かってくれないよなー)

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木田 知廣

木田 知廣

シンメトリー・ジャパン株式会社 代表

経営大学院立ち上げという類まれなる経験をした「人材育成のプロ」

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