部下に教える時間がない管理職は、何をすべきか。

2011.01.18

組織・人材

部下に教える時間がない管理職は、何をすべきか。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

教え合う仕組みづくり・組織作りによる人材育成効果を考える。

「皆が教える立場になる」と、各々の強みや得意分野がさらに強化されるという大きなメリットもあります。「教えるのが一番自分の身につく」という感覚は、覚えのある方も多いでしょう。ちなみに、心理学者のエビングハウスによれば、人間の行動による記憶残存率は、次のようになるそうです。
読む・・10%
聞く・・20%
見る・・30%
話す・・70%
行う・・80%

読む、聞く、見るといったことでは、10~30%ほどしか記憶に残りませんが、「教える」つまり他の人に話したり、学んだことを人に対して行ったりすると、70~80%と飛躍的に記憶に残すことができる。「教える立場」になると、それまで学んでは消えていた記憶が、自分のものになって蓄積されるようになるということです。断片的に記憶されていたものが、人に教える機会を通して体系的に理解できるようになることもあるでしょう。

もう一つ、周囲から「教えてほしい」と言われる、教えたら「なるほど」と感心されたといった経験は、自分の強みを再認識することになりますし、同時に人の役に立ったとも思えるので、喜びや前向きな気持ちが生まれます。皆が交互に教える立場になると、そんな効果もあるのです。自分が教えなければ・・・と考え、とはいえ時間もないしどうすればいいのだろう、とお悩みの管理職の皆さんも多いことと思いますが、教え合う仕組みづくり・組織作りによる人材育成効果を是非視野に入れていただきたいと思います。

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「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

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