山P妹クビ事件にみるコミュニケーションギャップ構造

2011.01.11

ライフ・ソーシャル

山P妹クビ事件にみるコミュニケーションギャップ構造

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント

就職が決まらない大学生や転職を求めている人たちが苦心する面接での問答。ここで生ずるコミュニケーションギャップがわかる例で見てみます。

元グラビアアイドルの山P妹こと山下莉奈さんが、勤め先の小林興起事務所を、新年年明け早々にクビになったとブログに書いた件がニュースになりました。それに対し事務所側は一方的解雇ではなく、業務指示を拒否したことが原因だと、真っ向から両者に言い分には溝が出ています。

「個人側」と「会社(雇用)側」が正反対の理由を述べる構造は、正に組織コミュニケーションにおけるギャップの典型です。最も大切なことは「誰が(何が)正しいか?」という善悪追跡には、全く意味がなく、組織は、個人はそのように一致が難しいものであるという構造を理解することだと言えます。

この典型例のコミュニケーションギャップモデルを分析してみましょう。

山下さんブログでは;
(昨年10月から)小林事務所で働き、取材を受けたくないし、受けられないという対マスコミ取材方針の在り方等々で話合いをし、解決したと思っており、新年からまた心機一転というつもりだったのに、朝行ったらいきなり先月付け(解雇)でということになった。小林事務所でマスコミ対応がうまく出来ないという理由だということで。
急過ぎる動きへの不信と、新年早々無職になった事への不満が綴られています。

これに対し小林興起事務所は;
(山下さんは)駅頭や地元まわりなど現場での勉強を忌避し、内勤だけ希望する等「政治家の仕事を理解していない」と判断した。さらに本人は昨年12月中旬から欠勤しており、5日に話合ったが溝は埋まらず解雇となり、本人も「お世話になりました」と笑顔で挨拶して行ったと反論しました。

われわれ第三者がここから読み解ける事実は;
昨年10月に入社(入所)した山下さんが、事務所と業務内容をめぐってもめ、その結果12月に話し合いを持ち、結局決裂し1月5日に辞める(辞めさせられる)ことになった。
ということです。

それ以外は両者の言い分が真逆なので、その真偽を確かめることは出来ません。実はこの「真偽はわからない」ことこそ、組織コミュニケーションの本質なのです。通常の勤務や就職、退職等も含め、組織内で発生する様々な事象には真偽・正邪はありません。
それぞれ受け手が「どう感じるか」です。太閤秀吉は日本では一般的にはヒーロー面が強いでしょうが、征明、朝鮮出兵の被害を受けた側からすれば歴史に残る大悪人と受け止められます。

つまり「私はがんばった」「誠心誠意努力した」「マスコミ対応について話し合って解決していた」「内勤だけを希望した」といった事実は突き止めようがありません。会社は警察でも裁判所でもありません。コミュニケーションギャップはここに生まれます。突き止めようのない事実を白黒つけようとするから衝突が起こり、もめる訳です。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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