経団連の逆。就職活動の「超・長期化」こそが解決策である。

2011.01.07

組織・人材

経団連の逆。就職活動の「超・長期化」こそが解決策である。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

経団連による、採用活動開始時期を遅らせるという方針は、学生の就職状況を更に悪化させる可能性がある。

真の問題とは「学生が持つ、職業に関する情報が少ないこと」だと考えます。そして解決策は、「今よりも、もっと就職活動時期を長期化し、職業に関する情報を沢山与えること」ではないでしょうか。

例えば、大学1年からでもエントリーを受け付け、会社説明会にも参加できるようにする。経団連の会員企業が率先して、大学などのキャリアセンターに出向いて職業に関する講座などを提供する。選考のための“なんちゃってインターン”ではなく、1年生からそれも少なくとも1ヶ月以上の職場見学や職業体験の機会を、無償で学生に提供する仕組みを全体で作る。

他にも色々なアイデアがあるでしょうが、これらにより学生が各々の状況に合わせて、また大学生活との両立を図りながら、就職に備えた勉強や活動に取り組めるようになるのではないかと思います。いずれも企業側の負担が増すのでしょうが、未来の顧客としての学生の満足、あるいはCSRの観点から見れば、積極的に取り組むべき課題と言えます。就職協定や倫理憲章は、これまで長い間、ずっと「時期の設定」という枝葉に終始してきており、結果として、毎度毎度なし崩し的に守られなくなり・・・、といたちごっこを繰り返していますが、就職活動の主役である学生たちのためにも、そろそろ根本的な対応策を打ち出すべきであります。

川口雅裕オフィシャルサイト

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長

「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

フォロー フォローして川口 雅裕の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。