『人事制度』~評価会議についての考察~

2011.01.07

組織・人材

『人事制度』~評価会議についての考察~

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

今回は、「評価会議」にスポットを当てて考察し、5つの観点でお話させて頂きます。

リクルートグループの某社の人事部長を10年弱やって独立して、組織・人事コンサルティング会社のマングローブを立ち上げました。

10年弱の人事部長生活で、力を入れていた3つのことがあります。

ひとつは、新卒採用に力を入れること。
ふたつ目は、教育に力を入れるということ。
みっつ目は、人事制度(特に評価制度)運用に力を入れること。
です。

人事部長のやるべきこととしてどれも同じくらい重要なことですから、重要な順番に書いたわけではありません。

この中でも、最も難しくエネルギーをかけていたのは、人事制制度の運用、とりわけ評価制度の運用についてだったと思います。

評価制度の運用で心がけていたことも3つあります。

ひとつは、全員の評価シートに全て目を通し、理解すること。
その上で手を抜いた評価シートがあれば、差し戻しなどをし、内容のレベルアップを奨励していました。
ふたつ目は、組織(支社などの拠点単位)の評価と、一人ひとりの個人評価とをバランスよく行なうこと。
みっつ目は、評価会議を重要視するということ。
でした。

今回は、みっつ目の「評価会議」にスポットを当てて考察してみたいと思います。

1.評価会議は、「考課者トレーニング」である。

評価会議の第一の目的は、評価者間の評価基準のすりあわせの場ということにあります。
甘い、辛いの感覚を、評価の根拠を表明し合うことで合わせていきます。評価は、日ごとの仕事ぶりの事実に基づいて行なう上司の判断であり、あくまでも主観で行なわれるものです。一次評価者が自分の主観で評価をすることは当然のことです。しかしこの主観は、評価基準というテーマに沿って磨かれていかなくてはなりません。この主観は、評価会議という評価期間毎の実践の場で磨かれていることが最も実際的なことと言えるのではないかと思います。

2.評価会議は「育成会議」でなければならない。

しかし、一方で、単に評価基準のすり合わせにフォーカスして、評価が甘い、辛いということだけに終始してしまうと、2つの意味で問題が生じてきます。ひとつは、集団の心理の方向としてどうしても甘さをチェックする方に働き、厳しいチェックを入れることがその場の目的になっていってしまいがちであることです。そのこと自体が悪いわけではないのですが、あくまでも評価の納得性を高めることが第一義的な目的なわけですから、ことさら厳しいことよりもいかに会議の中で情報を多く出し、客観性、納得性を固めるかという方向性を忘れないようにしなくてはなりません。問題の2つめは「評価を決めること」に執心してしまい、一人ひとりがこの間にどのように成長してきたのか、次の期に何を成長ポイントに取り組むべきかという本質的なテーマが置き去りにされがちであるということです。全体としてかなりのエネルギーがかかることを覚悟して、評価会議であることに加えて、評価者全員が集まって行なう「育成会議」だという認識で行なう必要があるのです。

次のページ3.全員が評価者の共通の部下であると思ってする評価会議の意味

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今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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