アシストのイクメンの考える、新しい“働き方”

2010.12.22

開発秘話

アシストのイクメンの考える、新しい“働き方”

喜田 真弓

厚生労働省によると、現在、約3割の男性が「育児休業を取得したい」と希望している一方で、実際の取得率は1.72%にとどまっているという。この、男性の育児休業取得率を10%まで引き上げる、というのが少子高齢化対策を進める厚生労働省が掲げている目標である。

しかし、トップが大きな変化の方向性を示唆しても、それに続く社員がいなければこの思想は広まらない。

朝倉の「自分が会社にいないことで周囲の人に気を遣わせてしまう」という言葉にあるように、“オフィスで顔を合わせながら仕事をした方が良い”という考え方は根強い。実際、「周囲や上司の理解が得られないのでは?」という不安や「周囲への遠慮」、「制度が利用しづらい」という理由から、在宅勤務をしたくても利用に踏み切れない、という声も聞く。また、在宅勤務のルールは、“1日在宅で就業すること”が 条件になっているため、客先訪問を前提とする職種だと利用しづらいのが現状だ。そのため利用したくても利用できないとして一部には不公平感も生まれている。

そんな中で、営業部門に所属する朝倉は率先して在宅勤務制度を利用し、制度が普及するうえでの課題もあることを認識した上で、そのメリットを周囲にオープンに伝えている。人事総務部にも、折に触れて普及させるための改善案を利用者の声として伝えている。

「報酬をお金でなく時間や働き方で支払う(受け取る)という考え方には大いに賛同する。社長の言うように収入が6割になったら我が家も一大事だが、それも妻が仕事に復帰すれば何とかなる(笑)。だからそれよりも柔軟に働ける制度があることはとても有難い」
「子どもが生まれたり、または介護が必要になったりと生活環境が大きく変わると、限られた時間を有効に使うことが重要になってくる。在宅勤務のような素晴らしい制度を一部の社員しか利用していないのは“もったいない”。会社と従業員の信頼関係があってこそだが、すべての社員が“直行直帰”と同じように気兼ねなく利用できるような、そんな企業風土や制度に変えていきたい、と心から思う」

子どもが生まれたのをきっかけに、朝倉は、子育てをしづらい勤務環境や、男性の育児参加がまだまだ浸透していないことに危惧を感じるようになったと言う。「父親であることを楽しもう!」をスローガンに父親の育児参加を推進するNPO法人ファザーリング・ジャパンの存在を知ったのはそんな時だった。その活動を支援しようと、朝倉は賛助会員として登録した。

「今後は、ファザーリング・ジャパンの活動や地域の活動への参加の度合いを増やし、家族が暮らしやすい地域や社会を目指した活動もしていきたい」

そう言う朝倉は今、もう一つ新しいチャレンジをしようと考えている。

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