成果主義がうまくいかなかった最大の理由。

画像: Joel Höglund

2010.08.18

組織・人材

成果主義がうまくいかなかった最大の理由。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

評価が良かったり悪かったりして入れ替わり、その結果が処遇差となって反映されるのであれば、競争が起こり、やる気や危機感が醸成されやすくなって成果主義は当初の狙い通り機能したはずである。

だとすると、成果主義が機能しなかった理由は、育成とセットで処遇システムを導入・運用しなかったことではないかと考えます。配置換え、役割の見直し、研修、日ごろの指導などを通じた人材育成への取り組みを軽視したままなので、評価の良し悪しはいつも同じようなものとなり、結果として処遇格差が動機付けとして機能しなかったということです。

もちろん成果主義の導入当初は、より良い処遇を求めて各々が自主的に学び、成長しようとするのではないかという期待もありました。しかし、給与が何倍にもなったり、クビになったりするほどの差がつくわけではないので、そうはならなかった。

成果主義は日本にそぐわないのだとか、日本的成果主義とは何かとか、実は欧米は成果主義ではないのだ・・・とか、様々な議論が出ていますがいずれも人事制度の範囲内の議論です。そうではなく、人材育成の仕組みや注力度合いを変えずして処遇システムだけ変えたことが問題ではなかったのか、というのが私の考えです。


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川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長

「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

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