二つの日本初を誇るお好み焼き・千房、その人材哲学とは4

画像: othree

2010.08.10

開発秘話

二つの日本初を誇るお好み焼き・千房、その人材哲学とは4

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

お好み焼きをメインディッシュに、フルコースのディナーを仕立てる。日本で初めて「お好み焼きディナーコース」をメニュー化した千房は、その人材募集についても日本初、驚くべきやり方に挑戦していた。

「かっこよくの思いを突き詰めた結果が、ぷれじでんと千房です。思いがあったからこそ、お好み焼きをメインディッシュにしたディナーコースを考え出すことができたのでしょう」

中井社長は徹底した未来志向でもある。現状にこだわって「できない」理由を口にする暇があるなら、自分次第で今からいくらでも変えていくことのできる未来を集中して考える。

「過ぎ去ってしまったことは、今さらどうがんばっても変えることはできません。でも自分の未来は、今からの自分次第でどのようにでも創っていくことができるやないですか」

千房では、多くの社員が寮に暮らしている。寮の責任者は、各店の店長が務めている。数は多くないが、寮にはルールがある。ルールを破った人間に対しては、きちんと怒る。

「なあなあにしたら絶対にあかん。ルール違反に対しては、がつんと怒ることが大切です。それが、お前のことをちゃんと見てるで、という合図やから。今の時代は個を大事にするといいながら、その個とは自分のことでしかない。それはちょっと違うのやありませんか」

個を大切にするのは大いに結構。だが、勘違いしてはダメなのだ。大切にすべきは、自分以外の個である。他者を大切に思う気持ちが、今ほど求められている時代はないだろう。

「うちで働く人間はみんな、背中に千房の看板を背負ってもらっているんやからって。みんなには、いつもそう言い聞かせています」

お客様のためを考え、従業員のためを考え、ギリギリまで考え抜き、妥協しない。たかがお好み焼き、されどお好み焼きである。お好み焼きをディナーコースに仕立てる発想の裏側には、中井政嗣社長の生き様が脈々と息づいているのだ。

~特集インタビュー
「二つの日本初を誇るお好み焼き・千房、その人材哲学とは」完~

『千房株式会社 関連リンク』
千房株式会社:http://www.chibo.com
中井社長著書:『できるやんか!』(潮出版)



【Insight's Insight】

千房・中井社長と言えば、関西では立志伝中の人物である。中学を卒業してすぐに乾物屋さんで奉公を始め、紆余曲折を経たのちに今の千房グループを育て上げた。
その間、奉公時代に丹念に記していた現金出納帳を担保に千房一号店の出店資金を工面したエピソードや、ラジオ大阪の番組『ぬかるみの世界』のスポンサーとなって知名度を跳ね上げた話、店内に絵馬を飾り集客に使ったアイデア等々。マスコミネタになりそうな言動、行動には事欠かない。
しかし、中井社長の、そして千房の企業哲学の根底に流れるのは、人の未来への思いだ。お客さまも人、従業員も人、その人の未来創りに、お好み焼きを通して貢献する。
だからお客さまを大切にし、従業員には我が子のような愛情を注ぐ。人に見守られていることを感じるとき、人は最高の仕事をする。その最高の仕事とは、お店に来てくれた人に最高のもてなしをすること。サービス業の原点からぶれない姿勢こそが、千房の強みなのだ。

◇インタビュー:竹林篤実 ◇構成:竹林篤実
◇フォトグラファー:宮田昌彦 ◇撮影協力:㈱エムツーフォト 

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