「iPadを○○名にプレゼント」キャンペーンにアップルは「NGです」

2010.08.10

営業・マーケティング

「iPadを○○名にプレゼント」キャンペーンにアップルは「NGです」

安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長

今日は、集客などのキャンペーンでプレゼントを提供する際の注意点を。実は、「iPadが当たる」キャンペーンはNGだって……知ってましたか?

結局、iPadプレゼントはやっていいの? ダメなの?

メーカーは「NO」と言っているが、それに従わなくても実害はない。では、マーケ担当者はどう対応するべきなのでしょうか? そもそも、聞いたらNGと言われるのなら、聞かずにやってしまうほうがいいのでしょうか?

安田の個人的な見解は「プレゼントキャンペーンでの使用は事前にメーカーに確認し、NOだと言われた商品はプレゼントに利用するべきではない」で、その理由は、パブリシティ権的な面からみた尊重です。

iPadを例にとると、それを賞品にしたキャンペーンを行うのは、いまiPadが話題になっていて、賞品として取り上げることで、そのキャンペーンにより多くの注目を集められるからですね。

少し視点を変えると、同様に、有名な存在を利用して注目を集める手法として、タレントの起用があります。パッケージや宣伝に著名人の写真や名前を使えば、それだけでアテンションをとれます。

しかし、タレントの写真や名前を勝手に使うことはできませんね。それは、日本でも「パブリシティ権」として「"その氏名、肖像から顧客吸引力が生じる著名人が、この氏名・肖像から生じる経済的利益ないし価値を排他的に支配する権利"」が認められているからです。

つまり、「著名な人のもつ知名度に勝手に便乗」することはできないのです。

とはいうものの、人格権をベースとした「人のパブリシティ権」とは異なり、「物のパブリシティ権」といったものは、まだ認められているわけではありません。だからブランド商品をプレゼントキャンペーンにしても今は訴えられたり追加の料金を請求されたりすることはありません。

ですが、著名人のパブリシティ権と同様に、著名な物のパブリシティ権を尊重することはできます。

iPadのようなブランド力のあるものを賞品としてプレゼントキャンペーンを行うことは、悪い言い方をすれば「iPadのもつ知名度に便乗して」いるわけですから、ポイントは物のパブリシティ権を尊重するかどうかです。

あなたが「社会で活動するにあたっては、直接の利害関係者でなくてもそれを可能な限り尊重し、自社の利益のために正当な理由なく他社の尊厳をないがしろにすることはするべきではない」と考えているのでしたら、ブランド元がNOと言った商品を使ったプレゼントキャンペーンは行うべきではないでしょう。

あなたが「ブランド元の意向なんて関係ない、キャンペーンで自社に人が集まればいい」と考えているのでしたら、アップルが何と言おうと、正当に店舗で購入したiPadを賞品にしてプレゼントキャンペーンを行えばいいでしょう。

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