「鮮魚を焼いて売るスーパー」から学ぶべきもの

2010.05.27

営業・マーケティング

「鮮魚を焼いて売るスーパー」から学ぶべきもの

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 日経MJ5月26日・総合小売り面に「オダキューOX 売り場の魚 焼いて販売 今夏メドに全店で 客の注文受け」との記事が掲載されていた。鮮魚売り場で何が変わろうとしているのか?それにはどのような意味があるのか?

 オダキューOXの「オーダー焼き魚」の販売は、もちろん競合が模倣することはできるサービスだ。だが、片手間ではなく、専用調理場を設けるという力の入れようから、先行優位を構築しようという意図が見える。確かに、例えば定食屋で食べる同じ焼き魚でも、どうもパサパサして美味しくないものもある。焼き方の巧拙で味が分かれる。そのスキルを確たるものにし、「オダキューOXの焼き魚はうまい!」というパーセプションを獲得しようとしているのだろう。また、焼きたてを持ち帰っても若干冷めるのは否めない。掃除の手間や時間をかけない再加熱の方法をアドバイスしたり、焼き魚に合う副菜のレシピを提案したりという展開も予想される。

 「鮮魚を焼いて売るスーパー」から学ぶべきもの。それは、競合と同じ土俵で戦わないという戦略と、大量仕入れ・大量販売という旧来のスーパーのビジネスモデルが崩壊しつつある「縮む市場」と化した日本での生き残り策を「加工度の向上」というキーワードで考えさせてくれるものだと解釈できる。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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