柳澤康弘パンカク社長が語る~iPhoneアプリ米国No.1『LightBike』開発2

2010.04.27

経営・マネジメント

柳澤康弘パンカク社長が語る~iPhoneアプリ米国No.1『LightBike』開発2

ITmedia ビジネスオンライン
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世界中で急速に拡大しているiPhoneアプリ市場だが、海外で受けるゲームを出している日本企業はまだ少ない。そんな中、2009年2月に米国App Storeの有料アプリランキングで1位に輝いたのがパンカクの『LightBike』だ。パンカクの柳澤康弘社長は情報処理学会で行った講演で開発の背景を振り返った。 [堀内彰宏,Business Media 誠]

ターゲットをどう設定するか


柳澤 ゲームを作るに当たってまず考えたのは、「ターゲットをどう設定するか」ということです。

 iPhoneユーザーがアプリを買う上で一番参考にするのがApp Storeのランキングページです。ほとんどのユーザーは、そこを見てアプリを購入しています。そのため、多くの売り上げをあげる(=多くのダウンロードをされる)ためには、ランキングページに入る必要があります。ただ、ランキングページに入るためには、多くのダウンロードをされていないといけない。

 「にわとりが先か、卵が先か」という関係と同じなのですが、どちらかを先に実現しなければいけないということで、私たちが目を付けたのはブログです。私たちはプロダクトアウトではなくマーケットインの方針をとっていたので、海外のブロガーの間で話題を呼ぶようなアプリを作ろうと思いました。ターゲットとなるのは海外でiPhoneアプリを紹介するブロガー、iPhoneそのものやiPhoneアプリに興味があるユーザーです。そして、毎月数百万ページビューがあるような「Gizmodo」や「Engadget」を書いている人たちに刺さるようなコンテンツを作って、パンカクのアプリの紹介を書いてもらおうという戦略を考えました。

 iPhoneアプリを紹介するようなブログを書いている人たちがどういう人たちかというと、20代後半~40代くらいの米国在住のギーク(オタク、マニアな人のこと)たちです。そして、ガジェットが好きで、おそらくSFなども好きなのではないかと想像しました。かつ、モバイルで遊ぶアプリなので、隙間時間で遊べるように、数秒から数分、長くても3~4分くらいで決着が付くようなライトなゲームにすることが大事、さらにはその場で友達と一緒に遊ぶことができれば、直接的な口コミを喚起できるのではないかと考えました。

 そうして誕生したのが『LightBike』です。3Dフィールド上でバイクを走らせるゲームなのですが、バイクの後ろに壁ができていって、壁にぶつかると負けというゲームです。「どこかで見たぞ」という方がいるかもしれないですが、パッと見でSF的な世界観を分かってもらえるように意識して作りました。

 また、「ちょっと面白そう」というだけだと、「わざわざブログの記事にするまでもない」ということになってしまうので、「世界初」といった新規性やニュース性が必要だと考えました。そこで私たちが考えたのが、iPhoneはマルチタッチができるので、1台のiPhoneを使って2人で向かい合って対戦をするということです。さらには、2台のiPhoneを使って、Wi-FiやBluetoothで通信をして4人で対戦をする、という仕組みを実装しました。

日本らしさからの脱却


柳澤 私たちが重視しなければいけないと考えていたのは、「米国のブロガー、米国のユーザーに刺さるものを作らなければいけない」ということです。なぜならiPhoneとiPod touchは全世界で8000万台近く売れていますが、半分以上が米国のユーザーで、日本のユーザーは3~5%くらい。そのため、その3~5%のユーザーのことをあまり考えすぎず、半分以上を占める米国のユーザーのことだけを考えるようにして、「日本のユーザーからどんなに文句を言われたとしても、米国のユーザーが満足するようなものを作ろう」と思っていました。

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