『障がい者をチャレンジドと呼ぼう』と提唱する政治って?

2010.02.19

ライフ・ソーシャル

『障がい者をチャレンジドと呼ぼう』と提唱する政治って?

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

鳩山首相の施政方針演説があったのは先月末である。「命を、守りたい」と始まったその演説には、賛否両論あるのだが・・・。個人的には、次のフレーズが耳から離れない。その点について、強く異議ありである。

「若者、女性、高齢者、チャレンジドの方々など、すべての人が、孤立することなく、能力を生かし、生きがいや誇りを持って社会に参加できる環境を整える・・・」

えっ?チャレンジドって?

2月11日には、首相官邸で開かれた中央障害者施策推進協議会であいさつし、日本では制定されていない障害者差別禁止法について、「米国をはじめとした世界の多くの国が実践をしている。新政権としては前向きに取り組んでいきたい」と述べ、法整備に努力する考えを強調。さらに、「障害者」という呼称についても見直すよう提案。「障害者という言葉よりも、チャレンジドの方が望ましい。いろいろと新政権で考えていかなくてはならない」と語った。という。
※ニュース「障害者差別禁止法に前向き=鳩山首相」より

恥ずかしながら、このニュースを知るまで「障がい者」の方を「チャレンジド」と呼ぶ動きがあることを私は知らなかった。「障害」という言葉は、そもそもが差別的だということで、表記が「障がい者」となったり「障害のある方」となったり「ハンディキャッパー」となったりしていることは目にしてきたが・・・「チャレンジド」とは、知らなかった。

どうやら障害のある人を支援する施設や有志の方々には、もう一般的に流布している考え方のようで、福祉団体や施設名としても使われている。例えば、障害者就労移行支援  チャレンジドのホームページには、次のように解説されている。

「チャレンジド」とは、障害を持っている人をあらわす、アメリカの言葉です。正しくは、「ザ・チャレンジド(The Challenged)」といいます。
「挑戦すべき課題や才能を与えられた人々」という意味がこめられています。「すべての人間は、生まれながらに自分の課題に向き合う力が持っている。
しかも、その課題が大きければ大きいほど、向き合う力をたくさん持っている」という哲学に基づいています。

なるほど・・・。

この言葉が日本で使われ出したのは、1990年代の初頭。社会福祉法人プロップ・ステーション理事長の竹山ナミさんの活動が始まりであったらしい。そこのホームページには、次のように明記されている。少し長いのだが、ちゃんと読んでいただきたい。
http://blhrri.org/info/koza/koza_0103.htm

チャレンジドという言葉の意味するもの
私たちは「障害者」という言葉ではなく「チャレンジド」を使っている。この「チャレンジド」という言葉は15年ほど前にアメリカでうまれた言葉である。アメリカでは障害者をハンディ・キャッパーとかディセイブル・パーソンという言葉で呼んでいたが、それはできないとか無理という、マイナス(負)を 意味しているので、それに代わる新しい言葉をつくろうということから「ザ・チャレンジド」という言葉が使われるようになったと教わった。ちょうど阪神淡路大震災直後のときであった。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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