だから調達・購買業務はコスト削減額で測れない

2010.01.12

経営・マネジメント

だから調達・購買業務はコスト削減額で測れない

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

前回、調達・購買業務のパフォーマンスはコスト削減額で測ってはいけないとお伝えしました。それには、調達・購買業務の特性が大きく関わっています。今回は、調達・購買業務の遂行・改善、そのマネジメントに役立て頂けるよう、調達・購買業務の特性について考えます。

調達・購買業務のパフォーマンスはコスト削減額で測ってはいけないとお伝えしたのは、一つには、「外部性」や「多様性」から、「100万円のコスト削減をしました!」と言われても、それがその担当者の尽力によるものか、市況や仕様変更などの外部要因によるものか、さっぱり分かりません。AさんとBさん、Aさんの前回と今回の同じ100万円のコスト削減が、同じ成果、貢献なのかという判断もつきません。

また、「相対性」の問題から、100万円というコスト削減の水準が妥当なのか、普通なら50万円しかコスト削減できないものを100万円にした凄いものだったのか、本来なら1000万円下げるべきものだったのかも分かりません。上の点と合わせて、コスト削減額がいかに心許ないパフォーマンス評価かお分かり頂けるのではないでしょうか?

一方で、「相対性」の問題から、予め妥当なコスト削減目標を設定する事ができません。コストがどれだけ下げられるかは、調達しないと分かりません。しかし、調達の「不可逆性」から、一度、結果を出してしまうと、結果の修正、後戻りはできません。

特に、調達・購買の「不可逆性」から考えると、コスト削減額という結果指標で管理していては、後手々々に回ってしまいます。近年では、マーケティング、営業もファネル理論、SFA、CRMなど、売上目標の管理から、問い合わせ数やセールスリード数など、売上につながるドライバーの管理に移っています。

「多様性」や「不可逆性」からは、KPIが調達・購買業務のマネジメントに有効でない事が分かります。KPIは、繰り返し性のあるオペレーションのマネジメント手段ですので、一括りに調達・購買といっても、個々の活動の目的が異なる業務を数値指標で測定しても、なかなか効果は得られません。

それでも、前回ご説明した通り、無意味どころか悪影響ばかりなのに、コスト削減額が調達・購買部門のパフォーマンス指標として幅を効かせているのは、それが有効だからではなく、単に簡単で分かりやすいからです。調達・購買業務の測定が難しい故に、思考停止してしまったのではないでしょうか?

確かに調達・購買は測定、マネジメントするのが難しい業務ですが、この様に、特性を明らかにしてしまえば、方法が見えてきます。もし、この記事だけではヒントが足りないという時には、お気軽に弊社宛にお問い合わせ下さい。お問い合わせフォームはこちら⇒ http://samuraisourcing.com/cgi-def/admin/C-007/jacontact/visit/form_submit.pl(所属企業・団体でのメールアドレスが不明な場合や、コンサルティング、ソリューション会社様などからのお問い合わせにつきましては、お答えできない場合がございますこと、ご了承願います。)

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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