ヨガブームの裏に潜む問題とは!?

2009.10.28

ライフ・ソーシャル

ヨガブームの裏に潜む問題とは!?

野口 克彦

ヨガブーム到来!といわれて幾久しいですが、読者の皆さんの中にもヨガに励んでいる人が大勢いらっしゃるかと思われます。ヨガは様々な効果が得られるボディワークの一つですが、誤った認識でヨガに取り組むと思わぬ怪我を引き起こしてしまうことも。。。

とはいいつつも、アーサナの中には非常にエクササイズ効果が高い、いい換えればエクササイズとして参考にすべきものも多く存在し、そのようなアーサナを集めたヨガ、というよりはワークアウトはフィットネスプログラムとして非常に優れたものであるのも事実なのです。

実際に、私が提供するパーソナルトレーニングプログラムに導入しているエクササイズの中にはアーサナを参考にしているものも数多く含まれていますし、以前は、上述した観点、考えに基づき構成されたヨガのクラスの開催(運営)をしていたこともありました。

ところで、ヨガの呼吸法に基づく身体と心の統合もフィットネスプログラムとしてのヨガが注目を浴びている理由の一つです。

呼吸は自律神経に働きかける唯一の手段としてしられていますが、深呼吸を繰り返すことで自律神経を調整出来ることは科学的にも、経験的にも認知されているといっても過言ではないでしょう。

確かに、呼吸に合わせて身体を動かすヨガは自律神経を整え身体と心を統合するプログラムとして適切であるといえるのですが、自律神経を整え身体と心を統合させるという要素だけを捉えるのならば、上述した理由と同様に必要以上に関節可動域を大きくとるようなアーサナは一般の方々には不要と考えられる訳です。

以上を踏まえ、私はヨガをフィットネスプログラムとして利用することを否定している訳ではなく、参加者の皆さんに、上述したことを充分に認識、理解して頂いた上でヨガに取り組んで頂きたいと考えているのです。

■インストラクターの不適切な指導が思わぬ怪我を引き起こす!?

それとともに重要になるのが「インストラクターの質の問題」だと考えます。

私見ではありますが、現在、いわゆるヨガインストラクターとして活動している指導者の多くは、フィットネス指導者であり本質的にヨガを伝導、指導する立場にある人ではないと考えます。

従って、ヨガインストラクターはフィットネスの現場でフィットネスプログラムとしてのヨガを指導しているということを再認識していく必要があるといえるのではないでしょうか。

すなわち、運動生理学、解剖学、等を充分に考慮した上でアーサナを選択、配列しクラス(プログラム)デザインをするべきであり、様々なフィジカルレベルの人に対して適切なクラスが展開、提供出来るようにアーサナをアレンジしたオプションが提供出来るようにしなければならないと考えます。

そのような考慮を心がけていれば香港で生じているようなトラブルは発生しないと思うのですが・・・

いずれにしても、ヨガの本質的要素は人間にとって必要不可欠な要素であるし、呼吸に合わせたアーサナ(個人の身体的特性、レベルに合わせた適切なアーサナ)が身体に良い作用を及ぼすことは疑いようのない事実であるので、それを如何に一般の人に伝えていくかを考えることが我々フィットネス指導者には必要ではないかと思う今日この頃です。

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