クライアントは“判断”しすぎず、“決断”せよ!

2009.07.31

仕事術

クライアントは“判断”しすぎず、“決断”せよ!

寺西 隆行
(株)Z会

クライアントが請負先に言う、「こうした方がいいんじゃないか」という発言。 恐らく8割以上は、「そうしない方がいい」です。 意見は自由に言っても構わないですが、感想・提案レベルのものが請負先の仕事に影響するまでの強制感を持たせては、最終成果物がいいものになりません。

上記の例でいうならば、クライアント側でデザインができないから、プロに頼むのであって。
プロは「自分にしかできない」領域にこだわりをもって、質の高い提案をするのであって…。
“判断”の段階で(決定に対する)関与をしすぎるクライアントは、正直、プロへの依頼料金の一部をドブに捨てているのとおんなじです。

本来のやり方はこうではないはずです。

クライアントは、請負先を選択するまで、請負先を徹底的にリサーチする。
そして「ここだ」と思ったら、できる限り信頼する。

“判断”のたたき台になるものはできるだけ請負先に出してもらい、「意見」(感想、レベル)はいい、意見を一度斟酌して請負先は再度、自分たちで“判断”した案を提出し、それらのいくつかの中でクライアントは“決断”する。

これがクライアントと請負先の仕事の進め方です。

請負先の“判断”を信頼しなかったり、ケチつけたり…それは逆に、クライアントとしてプロの仕事とは思えません。
誤解を恐れずに言えば、「ケチつけるような請負先を選んだ自分を恥ずかしいと思わないの?」と思います。

加えて、最悪なクライアントは、“決断”を相手に(実質的に)委ねるタイプ。
「出してきたのは君達だからね」と、責任を請負先に押し付け、もし社内的に「失敗作」との噂がたったとき、「自分のせいじゃない」と言い張るタイプ。

こんなクライアントは、たとえ請負先を変えても、良いアウトプットにつなげることなんてできないでしょう。

今進めているサイトの開発、Z会側は実質的に僕1人しかいません。
とてもすべての事柄まで関与できません。

というか、あえてそういう状態を作ったのかもしれません。
なぜなら、関与できない部分について、相手を信頼するしかありませんからね(笑)

クライアントの喜びは、最終成果物が良いものになり、明確な「数字」になって現れることです。
「あなたの」主観で「良いもの」ではなく、クライアントとしての利益向上につながることです。

だとすれば自ずと、素人の価値基準の押し付けではなく、プロの基準を信頼する方が得策だ、となるはずなんですが、ね。

もちろんこの姿勢は、何も関与せず、すべてお任せ~という「手抜き」とは異なること、明白です。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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