TSUTAYAのケースからインフォメーションバリューを考える

2009.04.29

経営・マネジメント

TSUTAYAのケースからインフォメーションバリューを考える

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

今はナレッジバリューの時代ですよ、と書きましたが、インフォメーションバリューをしっかり考えることも意外と大事だと思います。昔のTSUTAYAさんを例に考えてみます。

 他の分類軸を作ればいいのです。

 例えば、人気のある役者さんを軸に分ける。私が好きなのは広末涼子さんですが。

 オダギリジョーさんが出ている作品。仲間由紀恵さんが出ている作品というふうに分けると、その役者さんが好きな人は、過去に遡ってその役者さんが出ている作品を見たくなる。

 また、楽しい恋愛とか、壮絶に怖いホラーとか、愛と青春の旅立ちとか、恋に泣ける、とかそういう軸でも分けていく。

 今日の夜は恋人といっしょに泣きたい気分、というのであれば、「泣ける」というカテゴリで見たいものを探せばいいのです。

 でもまあ、これは壮絶な作業がビデオ屋さんには発生したでしょうね。全ての作品を見て、フラグを立てないといけないからですね。

 タイトルだけだと、泣けるかどうかわかりませんからね・・・。

 ある時期のTSUTAYAさんはこういうカテゴリがありましたね。今はちょっと違うと思いますけど。

 私がよく行く渋谷TSUTAYAでは韓流がすごいスペースを占めています。きっとよく稼動するんでしょうね。

 最近だと、当たり前ですが、店員さんオススメなどのPOPがついていたりします。

 映画で続編をやると、見る前ににチェック!というようなコーナーが出来てきます。毎日ビデオ屋さんは大変だなあと思いますけど。

 ちょっと難しく説明しますと、購買選択基準の提案をしているんですよね。

 新たな分類軸を作るということは、ひょっとしたら購買選択基準が意識的に明確化されていない人に対して、こういう選択の仕方はどうですか?と言っているんです。

 カテゴライズするといことは、お客様への選択基準の提案なんですね。

 何かが集まっていることは価値です。情報でもモノでもそうですね。

 モノが集まる場所がマーケット、市場です。情報が集まっているのが、情報誌であったりします。

 で、そこを分かりやすく整理すると価値が高まります。

 いや、分かりやすくではないでしょうね。交換が価値を生み出すとすると、交換しやすいように分ける、整理すると価値が高まる。

 要は買いやすいように分類すると、購買が増えて、価値が高まったと言える。

 何か買いたくて漠然とした思いでやってくる。TSUTAYAさんで言えば、ビデオでも見ようかなと思ってやってくる。

 その時に、どんな基準があるかといえば、お客さんの頭の中は漠然としている場合が多いでしょう。

 いや、目的的に来る人は気にしなくても、今日は「トライアングル」のDVDが出るから借りる!と思っている人は意地でも借りますよね。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

フォロー フォローして伊藤 達夫の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。