潜在意識にとどく声(4)

2007.07.06

仕事術

潜在意識にとどく声(4)

唐澤 理恵
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役

シャンソンを唄っていて思うことは、それは唄というよりも3分間の一人芝居の劇場であるということ。声と表情、身振り手振りで観客との間に目に見えない劇場をいかに作り出せるかどうか。

すばらしいシャンソンの歌い手による唄は、唄ではなく、まさに一人芝居。

その3分間の唄を聴いて、登場する人物の人生が描けるかどうか。
これにつきます。

声の抑揚や、表情にのる喜悲。
視線の位置。
手の動きやからだの向き。
首のかしげ具合。

ひとつひとつの動作が歌い手と観客の間の空間におかれた
目に見えない舞台を演出しています。

ある意味では、ビジネスにおけるスピーチと同じとも言えます。

シャンソン歌手の歌声が地声に近く、
裏声を使うことが少ないことからもスピーチに近いように思います。

さて、シャンソンを唄うにはまずは腹式呼吸が重要です。
これは、どんな唄も同じこと。

唄だけでなく、スピーチもそうです。

腹式呼吸による息で作られた声帯の振動は強く、
自分のからだにも伝わりやすく、周囲の空気にもしっかり伝わります。

自分のからだを揺さぶることで血流がスムーズになること。
それによりエネルギーレベルが高く、迫力が増します。

周囲の空気に音波がしっかりのることで、相手のからだに振動が届きます。
それにより、相手のからだに触れることと同じコミュニケーションが生まれます。

そして、腹式呼吸による声が視覚野を刺激し、頭の中にクリアな映像を映し出してくれます。

クリアな映像、これこそクオリア(質感)と呼びます。

「あそこのラーメンは実に美味しかった。」

質感が明確に視覚野に浮かび、それを声や目で相手に伝えたいと思うことで
それを聴いた相手が、一度食べてみたいと思う。

優れた落語家はぼたもちを食べる振りをするだけで
観客の口の中は唾液で一杯になる。

視覚野にクオリアが描かれていれば、自然にそのような表情になり、
自然に手も動く。

夜中に夢をみている子どもが微笑んだり、悲しい顔になったり、
手足をバタバタさせたりすることと同じ。

これこそ、視覚野にクオリアが描かれている状態なのです。

そのためには声がとても重要だということ。

そして、声の響く場所によってクオリアの描かれ方が変わってきます。

例えば、私たちは人を攻めたり、威圧したりするとき、
声は胸のあたりに響きます。

人をじっくり諭すときは、腹に声が響いているはずです。

ひったくりにあって、助けを呼ぶ声は背中に響く。

ちょっと後ろめたいことがあると、腰のあたりに響いています。

つまり、生まれながらにそういったからだの特性を持つ。

これを逆手に取り、敢えて声を響かせる場所をコントロールすることで
自分の心、つまり潜在意識をコントロールすることができる。

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唐澤 理恵

株式会社パーソナルデザイン 代表取締役

「自分らしさをデザインする。」をコンセプトに、独自のパーソナルアイデンティティ分析を基に業界・業種・役職に合った「自分らしさ」をスタイリスト、ヘアデザイナー、ボイストレーナー、演出家ほか各種スペシャリストとともに演出をサポートしています。ビジネスパーソンのためのパーソナルプロデューサー、が肩書きです。

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